
- 作者: 桂望実
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2008/08/25
- メディア: 単行本
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瀬戸内海に島がある。そこでは島に住む全員が平等に扱われる。島の収入は等しく分配されるし、仕事も公平に抽選で割り当てられる。格差も競争もない社会。島の決定は全員の投票による多数決で決まる。一見理想社会のように見えるが、そこではやりたくない仕事であっても、ルールだから受け入れないわけにはいかない。社会の体制の維持には個人の私欲は抑えられなければならない。こうして、だんだんと社会に歪みが生じ、不正が蔓延るようになる。
完璧なルールを維持するには、人はルールをきちんと守らないといけないし、そうなると監視する人も必要になる。窮屈で息苦しい社会になってしまう。
完璧な理想社会を作り上げようとする主人公が、島民の決定で島を追放された後に、島民ではない一般の人と会話した一部がこれ。
「(完璧な理想社会は)どうしてそんなに人気ないかなぁ」
「社会のために生きているんじゃないからです」
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