Author: ijichi

  • ツール・ド・フランス一週目のまとめ

    アクシデントだらけの一週目でした。

    第1ステージ

    今年のツールのスタートは干潮時に現れる道から。そこに至るまでのパレード走行でグライペルが落車して、アクチュアルスタートが切られる前にメディカルカーのお世話になっていたのが印象的でした。
    そして何より、残り約10km地点でイグリンスキーが沿道の観客と接触して落車。イグリンスキーが集団側に倒れたので、大落車となり、道は塞がれ、総合優勝狙いの選手の中ではコンタドールサムエル・サンチェスが取り残されてしまった。これに乗じてBMCとレディオシャックが前の集団を牽きまくり。これが第1ステージじゃなくて、例えばコンタドールマイヨジョーヌを着た状態だったらとか思うけど、それはタラレバの話。
    さらにコンタドールは残り3km地点での落車でも足止めを喰らい、初日で1分20秒もの差をつけられてしまった。残り3km地点での落車に巻き込まれたアンディ・シュレクは救済措置があるけど、コンタドールは救済なし。
    初日のマイヨジョーヌ獲得は登りフィニッシュを制したジルベールアルデンヌクラシックのような登りのゴールだと本当に手がつけられない。

    第2ステージ

    チームタイムトライアルの一日。マイヨアポワを着たフースホフトに笑った。ガーミン・サーヴェロが最速タイムを叩き出し、フースホフトマイヨジョーヌをゲット。
    そしてレオパード・トレックのシュレク兄弟は本当にTTだと役に立たないw

    第3ステージ

    逃げたグティエレスがバイクカメラにツバをつけるイタズラを二回も。敢闘賞を貰えなかったのはこれのせいじゃないのかと。
    この日はつるぺた平坦ステージなので、トレイン組んでのスプリントバトルかと思いきや、早くから集団を牽かされたHTCのトレインが途中で崩壊、ガーミン・サーヴェロがミラー、フースホフト、ジュリアン・ディーンの順に切り離して発射されたタイラー・ファラーがステージ制覇。マイヨジョーヌが発射台になる贅沢なトレイン。
    STAGE 3 – L'image du jour / Image of the day – YouTube

    第4ステージ

    この日のゴールは3級山岳のミュール・ド・ブルターニュを登り切ったところ。これだと総合を狙う選手や、ジルベールみたいに登りでアタックができる選手しか残れないと思いきや、一人だけ黄色いガチムチの男が必死に喰らい付いていって、なんとタイム差なしでゴールw
    カヴェンディッシュやファラーといったスプリンター達が早々に仕事を終えて後方に下がったのとは対照的にフースホフトの兄貴が大激走。
    そして優勝したエヴァンスと並んでゴールした2位のコンタドールがガッツポーズしちゃう恥ずかしいシーンも。99年の有馬記念のようだった。
    STAGE 4 – L'image du jour / Image of the day – YouTube

    第5ステージ

    アップダウンこそあれ、基本的には普通の平坦ステージのはずだったのだが、落車に次ぐ落車で不穏な空気に。序盤にシャヴァネルやウィギンスが落車していたのは序の口で、中間スプリント地点を通過した後、ブライコヴィッチやヘーシンクが巻き込まれた落車が発生、すぐには動けなかったブライコヴィッチは病院行きでリタイア。それも束の間、今度はコンタドールが落車してバイク投げ。さらに、サクソバンクのニキ・セレンセンがカメラマンを乗せたバイクに引っ掛けられて落車し、自転車だけズルズル引き摺られていく始末。初日のコンタドールといい、サクソバンクはチーム丸ごとお祓いに行くべき。などと思っていると、今度はボーネンが落車。再スタートしてタイムオーバーを回避するべくアシストとともに前を追ったけれども、ジャージは破れ、血が滲み、本当に痛々しかった。エウスカルテルのベラスコがゴールに近い街中の狭い道でフェンスと接触して落車していて、本当に落車の多い一日だった。
    STAGE 5 – L'image du jour / Image of the day – YouTube
    最後はボアッソンハーゲンが早漏気味に早仕掛け、それを後ろからフェイユ、フースホフトジルベール、ボネが追いかけ、その大外からカヴェンディッシュが一人で飛んできて差し切って今年のツール初勝利。当然のごとく嬉し泣きした後の顔でインタビューに出てきたカヴェンディッシュさんにワロタ。

    第6ステージ

    白い新人賞ジャージのジェレイント・トーマスに先導されたボアッソンハーゲンがきれいに発射されてステージ優勝。
    STAGE 6 – L'image du jour / Image of the day – YouTube
    ちなみにこの日はライプハイマーが救済される寸前のあたりで単独で落車。レディオシャックもお祓いが必要なレベル。

    第7ステージ

    この日もつるぺた平坦ステージ。これは集団スプリントですなと思っていたものの、この日も落車多発。
    道中、急にボーネンがペースを落として停車、自ら自転車を降りる。あ、これは、もしかして……ということで、残念ながらボーネンはリタイア。先日の落車の影響でベルギーの英雄がツールを去ることに。
    で、今日もクロイツィゲルポポヴィッチが巻き込まれたり、ウィギンスが巻き込まれたりと落車が続く。前哨戦のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネを勝って調子が良さそうだったウィギンスは鎖骨骨折でリタイア。そしてウィギンスとともにレディオシャックのホーナーも巻き込まれ、しばらく動けず。結局一人で追走してゴールには辿りついたのだけれども、後のニュースなどによれば、頭を打っていたようで、ゴールしたときには、なぜ自分がこんなに遅れているのか、いつ落車したのか、何kmぐらい一人で走ってたのか、などなどの記憶がない状態だったという。そのまま病院直行。
    さらにレディオシャックは受難、ライプハイマーがゴールまで残り5kmぐらいでパンク。ブライコヴィッチ、ライプハイマー、ホーナー、クレーデンとエース級を4人も揃えていたのに、無傷なのはクレーデンだけという惨憺たる状況。しかも全部アクシデントでってのが悲しい。
    最後はHTCが9人全員で組まれた世界最速の芸術的なトレインからカヴェンディッシュを発射してステージ制覇。

    第8ステージ

    ホーナーがDNSということで、レディオシャックで総合の望みがあるのはクレーデンのみになってしまった。9人のうち4人も総合上位を狙える陣容だったのに。
    この日はなんといってもヴィノクロフ大佐のアタック。このツールを最後に引退ということで、なんとしてもマイヨジョーヌを着たいという思いの詰まったアタック。最後は失速してしまったが熱い走りだった。結果的にこれが最後の見せ場となってしまったのだが……
    勝ったのはモビスターのルイ・コスタ。逃げ集団から抜け出し、最後は独走で逃げ切り。その後ろにジルベールを先頭にした集団。そして今日も登りゴールなのに黄色いジャージのガチムチでゴツい人が集団の中で一人踏みまくっている姿が。フースホフト本人も第8ステージでマイヨジョーヌを失うことになるだろうってコメントしてたのに、終わってみればマイヨジョーヌをがっちりキープ。この人の登坂能力どうなってるのw
    STAGE 8 – L'image du jour / Image of the day – YouTube
    他のスプリンターのみなさんはもちろんグルペットでゴール。

    第9ステージ

    ツール・ド・フランスの一週目の今日で終わって明日は休息日、アクシデントが多い週だったなと思いきや、この日は最悪な状況に。
    まず、峠の下りで大規模な落車が発生。崖下へ転落していったのはヴィノクロフ。アスタナのアシスト陣が両脇を抱えて引き摺り上げるも、大腿骨、骨盤の骨折だそうでリタイア。そのまま病院へ搬送。現役最後のレースをこのような形で去ることになるとは。大佐、おつかれさまです。
    この落車の中にはオメガファーマ・ロットのファンデンブルックと、レディオシャッククレーデンも含まれており、ファンデンブルックは鎖骨骨折でリタイア、オメガファーマ・ロットは総合狙いのエースを失うことになった。クレーデンはリタイアこそしなかったものの、レディオシャックのエース4人衆の最後の砦もついに手負いの状態に。
    STAGE 9 – L'image du jour / Image of the day – YouTube
    レースはヴォクレールルイスレオン・サンチェス、カザール、フレチャフーガーランドの5人の逃げ。集団は落車の影響でペースが上がってこないし、逃げの5人はなかなか濃いメンバー。これなら逃げ切りもあるだろうし、集団とのタイム差によっては……などと思っていると、この逃げ集団で最悪なアクシデント。テレビ局の車がフレチャの横を併走しているときに、急にフレチャの方に進路を変更し、フレチャを弾き飛ばしてしまった。フレチャはこの影響でヴォクレールの後輪と接触して転倒。そして、フレチャの後ろを走っていたフーガーランドも巻き添え、フーガーランドに至ってはまさに吹っ飛んだという感じで、道路脇にダイブ、しかもそこに有刺鉄線が張られていて見るも無惨な姿に。ジャージは裂け、有刺鉄線に絡まり、これはリタイアでもおかしくない状況。フレチャフーガーランドも再スタートしたものの、痛々しくて見ていられないし、フーガーランドは両足に巻いた包帯から血がダラダラ流れてるし……
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    セレンセンを引っ掛けたバイク、今回のテレビ局の車、両者ともに追放処分を受けたのは当然。あんなもの交通事故でしょ。
    結局、ステージ優勝は逃げで残った3人の争いになって、勝ったのはルイスレオン・サンチェス、そしてマイヨジョーヌヴォクレールに移動することになった。カザールはちょっと元気がなかった。
    この日のレースは散々なものだったけども、ヴォクレールの表彰式の笑顔で和んでしまった。嬉しさを抑え切れない、嬉しくてたまらない、本当に喜び爆発といった感じ。ただ、マイヨアポワを獲得したフーガーランドはなんとかゴールまで辿りついて表彰台に上ったけども、目には涙。本当にやるせない。
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    一週目が終わりましたが

    総合狙いのエース級の選手がアクシデントで何人も姿を消しており、そこがすごく残念。ヘーシンクやライプハイマークレーデンはリタイアこそしていないけれどもアクシデントでタイムを失っているし、コンタドールだってアクシデントばかり。コンタドールが今年のジロ・デ・イタリアを勝ったときは、アクシデントらしいアクシデントはなかったように思うけど、ツールは一週目だけでアクシデントだらけ。今のところエース級で無傷でいるのはエヴァンス、シュレク兄弟、それにまぁさすがに総合優勝はないだろうけどクネゴといったとこぐらい。
    二週目以降はアクシデントがないことを祈りたいですね。

  • Hayley Turner

    Horse Racing News | Racing News As It Happens | Racing Post
    Hayley TurnerがついにG1ゲット。英国で女性騎手がG1を勝つのは二人目なのだとか。

  • 淡河から岩谷峠を越える

    田舎を走っているとヘビの轢死体をたくさん見かける季節になりました。
    三田市から三木市の吉川町に抜けて、ゴルフ場乱立地帯の丘のアップダウンを越え、道の駅淡河で一休みし、岩谷峠を汗だくになりながら登り、途中、ノーヘルでダウンヒルしてる勇者とすれ違い、箕谷から有馬街道を通って帰ってきました。有馬街道も唐櫃を過ぎてからは道が狭くて路肩がないし後ろからは車が来てるしで、どうしたらいいのかわからない。思いっきり漕ぐしかないのだと思う。何はともあれ、地元に帰り着いて汗だくで飲むコーラは格別ですな。
    岩谷峠は一度行ってみようと思っていたところで、六甲山の裏にある山のど真ん中を突っ切って越える感じ。斜度はあるけど、距離が短かいので助かります。




    • Time 3:22’12
    • Dst 57.18km
    • Ave 16.9km/h
    • Max 44.5km/h
  • ツール

    昨日は、コンタドールのアタックよりも、エヴァンスの勝利よりも、何よりもフースホフトの頑張りに痺れた。

  • ツール・ド・フランスが始まる前に上半期のレースを振り返っておく

    ここらで書いておかないとタイミングがなくなる。主にモニュメント。
    ミラノ〜サンレモファルネーゼヴィーニ所属で、去年の日本チャンピオン宮澤選手が出場。モニュメントレースに日本チャンピオンの姿があることになった。レース前のセレモニーで日本国旗が掲げられ、宮澤選手が涙を流すシーンもあった。
    序盤に決まった逃げに宮澤選手が乗り、約200kmに渡って逃げ続けた。これだけでも熱い展開だったのだけど、残り100kmぐらいで宮澤選手が逃げから脱落、後続集団に吸収された後も、ヴィスコンティを従えて集団を引く姿にはさらに胸が熱くなった。震災のすぐ後という時期で、いろいろとスポーツでも震災へ向けてというシーンがあったけど、日本チャンピオンがミラノ〜サンレモで集団を引くシーンが一番胸が熱くなるシーンだったように思う。宮澤選手は集団をペースアップさせてお仕事終わり。
    レースは先頭集団にカンチェラーラなどの有力選手がいる展開、後続集団は集団落車があって追走するもなかなかペースが上がらない。後続集団にはカヴェンディッシュフースホフトフレイレといった有力どころが取り残されてしまった。その中でスカルポーニがたった一人で先頭集団を追いかけるシーンもあって、単独での追走なのに先頭集団に追いつくという根性の走りを披露したのだった。普通あれ追いつけないよね。ミラノ〜サンレモで熱いシーンその2といったところ。
    決着はスプリント勝負で。さすがにあのメンバーでスプリント勝負をすればゴスが勝つよねって感じではあったが、カンチェラーラが最後の峠を越えたところで、早めのスパートから先頭集団をサバイバルレースに持ち込んだ戦略は見応えがあったし、順々に脱落していくレースでエキサイトした。ゴスは道中は存在感がなかったけど、スプリントなら負けない。スカルポーニもスプリントに参加していたように思うけど、この人は先頭集団に追いついただけですごい。
    ほいで、ロンド・ファン・フラーンデレンパリ〜ルーベの北のクラシックへ。前哨戦のドワルス・ドール・フラーンデレンはナイエンスが勝利、ヘント〜ウェヴェルヘムではボーネンが復活の勝利、E3プライス・フラーンデレンではカンチェラーラが圧倒的な力の差を見せつけての勝利という感じ。
    そして本番、ロンド・ファン・フラーンデレンシャヴァネルが逃げることになったところで、カンチェラーラシャヴァネルボーネンを擁するクイックステップ勢の争いという空気に。それでもさすが宇宙人カンチェラーラボーネン達を振り切ってただ一人、逃げるシャヴァネルを追走し、あっさり追いついてしまった。しかしシャヴァネルも追いつかれてからは付き位置で追走、このままローテーションせずにカンチェラーラに先頭を引かせて後続が追いつくのを待つ走り。こうなってもカンチェラーラならシャヴァネルを置き去りにしていくかなと思ったのだけど今いちペースが上がらず、カペルミュールの途中で後続集団が一気に襲いかかってレースは振り出しに。そこからはジルベールの早仕掛け→タレるの様式美や、バッランはなぜそこでアタックなど、思い思いに動き、最終的にアタックして抜け出したのはまたカンチェラーラ。これにシャヴァネルとナイエンスが反応して、最終的には3人でのスプリントとなり、ナイエンスが勝利。カンチェラーラディフェンディングチャンピオンとして受けて立つ走りではあったが、補給に失敗したか、脚を気にする場面もあって残念ながら敗戦。レース後には脚が攣っていたとか言ってたっけ。それでも負けて強し、次週のパリ〜ルーベでも断然の優勝候補ということに。
    で、パリ〜ルーベ。今度はカンチェラーラフースホフトやファンスーメレンを擁するガーミン・サーヴェロの展開に。終盤ではカンチェラーラフースホフトやバッランといった新旧の世界チャンピオンを引き連れてアタックするも、フースホフトやバッランは追走だけで手一杯、しかしその間にも先頭ではフースホフトのチームメイトであるファンスーメレンが一人抜け出して独走へ。カンチェラーラの出方を巡って後続ではお見合い状態が続いて、ファンスーメレンがタイヤをパンクさせながらも逃げ切って驚きの勝利。ガーミン・サーヴェロ的にはチームの勝利ということになった。仮に追いついてフースホフトカンチェラーラのスプリント勝負になったとしたら、おそらくフースホフトに分があったのだろうけど、そういう展開でフースホフトが勝っても酷評されるだけだろう。ファンスーメレンが勝ってゴール後に恋人にプロポーズするというリア充すぎる話でよかったのかもしれない。ボーネンはアランベールでメカトラがあって早々に終了、アシストもおらず、再び走り出すまでの時間はどれほどの長さに感じただろうか。クイックステップ勢はシャヴァネルも奮闘していたけど、この人は落車落車でレースどころではなく傷だらけになりながらの完走。
    カンチェラーラはどちらも勝てなかったけど、前哨戦で圧倒的な強さを見せてしまったことで、周りのマークがきつくなりすぎてしまったのが敗因か。どちらのレースも負けて強し、一番強かったのはカンチェラーラで間違いない。
    そして、北のクラシックが終わるとアルデンヌクラシックの季節。
    アムステルゴールドレースフレッシュ・ワロンヌを危な気なく勝ったジルベールアルデンヌクラシック三連勝をかけてリエージュ〜バストーニュ〜リエージュへ。対するはレオパード・トレックのシュレク兄弟。終盤、ジルベールとシュレク兄弟が三人で抜け出して、勝負はこの三人に絞られた。こうなった時点で、シュレク兄弟が交互にアタックを仕掛けていけば数の勝負で圧倒的に有利に運べたと思うのだけど、この兄弟、人がいいのかもしれない。決定的となるようなアタックは仕掛けられず、最後にジルベールが二人を振り切ってアルデンヌ三連勝。アップダウンがあって最後にきつい登りがあるようなコースでは今のジルベールは手がつけられない。ジルベールが早仕掛けからタレるというのは一種の様式美なわけだけど、キツい登りでの鋭いアタックは超一級品で、こういうコースでは今のジルベールに隙はない。あと、終盤でも自分から動いて追走集団を引く姿はかっこいい。
    んで、5月のジロ・デ・イタリアツアー・オブ・カリフォルニア、6月のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネ、ツール・ド・スイスなどがあり、先週末の各国の国内選手権を経て、今日からのツール・ド・フランスへというわけですね。モニュメントを中心に振り返ったのでステージレースはガン無視ですが、とりあえずツール・ド・フランスの一週目はクラシックライダーのみなさまが活躍する期間ですし。
    ちなみに、各国選手権はというとカンチェラーラジルベールシャヴァネルなど、順当に強い人がタイトル獲ったよねという感じ。特にシャヴァネルさんがフランスチャンピオンとは胸が熱い。北のクラシックやアルデンヌクラシックでいい走りを見せたジルベールシャヴァネルがそれぞれにナショナルチャンピオンジャージを獲得してツール・ド・フランスに参戦するわけで、総合争いとは別にこの二人が一週目にどういう走りを見せるのかというのは楽しみなところ。
    また、ツール・ド・フランスのチームプレゼンテーションでナショナルチャンピオンジャージが披露されたけども、カンチェラーラレオパード・トレック仕様スイスチャンピオンジャージはあまりかっこよくなかった。サクソバンク時代の方が断然かっこいいスイスチャンピオンジャージなのでは……
    チームプレゼンテーションでは、他にもトール・フースホフト (Thor Hushovd) さんがトールハンマー (Thor’s Hammer) を持って登場するというコスプレもありましたが、
    Photo gallery: the Tour de France team presentation | Cyclingnews.com
    ツール・ド・フランスの沿道にいるコスプレイヤートールハンマーを持って登場するのを期待しております。

  • アーネストリー完勝

    ちうわけで、昼すぎまでロードレースの全日本選手権を見ていて、さて自転車で阪神競馬場でも行くかという頃に雨がポツポツきたので、宝塚記念DNSということになった。スタートしてたら多分途中で泣いてたと思うぐらい一時的に強い雨だった。
    アーネストリーがG1を勝てるとしたら宝塚記念だろうなと思うし、アーネストリーの良いところを存分に発揮しての勝利だから文句なしの完勝。それにしても、いかにも往年の宝塚記念馬みたいな感じ。前評判で強い強いと言われた4歳勢は、締まったペースになってしまって最後は思ったほど伸びなかったようだし、相手を削る強気の先行は哲三騎手に限る。その中で去年の有馬記念と同様にただ一頭だけ抜けてきたブエナビスタはさすが、なのだけれども、もうブエナビスタは東京でしか勝つイメージがわかない。
    あとは、週中に池江厩舎5頭出し!!と見出しが踊っていた池江勢は終わってみればアレレ大撃沈という結果で、特にドリームジャーニー阪神の内回りコースで4角にかけてググーッと外を進出していく姿を見ることができないのは悲しかったです。おつかれさまです。ローズキングダムは実質G1勝っていない薔薇一族だと考えると大変収まりがいい着順だと思いますハイ。

  • 別府史之選手が日本チャンピオンに

    全日本自転車競技選手権ロードレース、先々週のタイムトライアルに続いて別府史之選手(チーム・レディオシャック)が勝利。これでロードレースとタイムトライアルの日本チャンピオンということに。
    新城幸也選手(ヨーロッパカー)にせよ、宮澤崇史選手(ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットーリ)にせよ、海外組は単騎参戦ということで、国内のチームにどう対抗するのかが見所だったけど、終わってみればシマノレーシング愛三工業レーシングチーム、チームブリジストンアンカー、宇都宮ブリッツェンがチームとして手を打ってきたのを弾き返しての海外組のワンツーだった。
    途中でアタックして逃げ集団に追いつき、残り60kmぐらいまで逃げた別府選手は、吸収された時点で今日は終わりかなと思ったけど、最後まで集団に残って登りのスプリントを制して勝利。逃げているときは結構引いているように見えたし、脚使ってるんだろーなーと思っていたけど、そんなことはなかった。今日のレースでは一番強い走りだった。これから一年、別府選手が海外のレースで日本チャンピオンジャージを着るのだから、期待するなという方が無理。新城選手は集団が逃げを吸収した後に、単独でアタックを仕掛けたりと見せ場たっぷり。最後はわずかに届かなかったけど、欧州で走っている実力は存分に見せてもらった。本人は相当悔しいだろうけど。3位の清水都貴選手は周回ごとにカメラ目線で通過していくという、こっち見んな状態で周回を重ねたわけで、それはそれで印象的だった。
    さすがに日本で誰もが勝ちたいレース、日本のチームはエースを守るために一人、また一人とアタックしたり、アタックを潰したりと、その駆け引きこそがロードレースの醍醐味であり、そこにはレースのリザルトを見ただけではわからないドラマがある。
    最後にUSTで中継をしてくださったくりらじの皆さんに感謝。中継カメラの切り替えもスムーズだったし、固定カメラだけでも十分にレースの状況を把握できたし、ゴール前もばっちり。岩手で行われているレースをカメラ数台で撮影、下関でカメラの切り替えをして配信、沖縄からSkypeで解説というのは、いやはやすごいなという感想しかなかった。

  • 大撃沈

    池江厩舎大撃沈すぎ笑えない。

  • DNS

    宝塚記念に行くつもりが雨っぽいのでDNSです。

  • マイナー血統がこの先生きのこるには

    日本は種牡馬入りするのが他国より厳しいの?
    ということで、細かいことは気にせずに馬産の数字がどうなっているのかを見ようということで、種牡馬の数と繁殖牝馬の数、出生数の2009年のデータをIFHAより拝借してきた。

    CountryStallionsMaresBirthsMares/Stallions
    Argentine83813945847116.6
    Australia840281341611233.5
    Brazil2423776292215.6
    Chile1303639173028.0
    France4148758552421.2
    Germany762092115627.5
    Great Britain3837240565218.9
    India1073128167329.2
    Ireland271188511016769.6
    Italy1151820152615.8
    Japan2629850745337.6
    Korea972276132323.5
    New Zealand1668326422450.2
    Saudi Arabia198188210759.5
    South Africa128427833.4
    Turkey44538785528.7
    USA2953457203175015.5
    Uruguay402316218037.9

    Source: International Federation of Horseracing Authorities
    元データはサラブレッド、アラブ、トロットの合算なので、サラブレッドの数だけ転記した。繁殖牝馬の数が1000を超えてる規模の国を選んだので、スウェーデンノルウェーなんかはトロットの方が盛んでサラブレッドの数は少なく、ここでは除外されてる。
    繁殖牝馬の数を種牡馬の数で割った値、種牡馬1頭あたりの繁殖牝馬の数を見ると、69.6のアイルランドなんかは繁殖牝馬の数に比べて種牡馬が少ないね、種牡馬になるのは狭き門だねということだし、米国の15.5というのは、主要国では数値が小さい方だね、繁殖牝馬の数に比べて種牡馬の数多いねということ。実際にどんな血統が種牡馬入りしているかまではこれだけだとわからないけど、米国なんかの方がマイナー血統が種牡馬入りして生き残っていく可能性は高いのかもしれない。米国がこんな感じなのは、ケンタッキー州が一大馬産地とはいえ、フロリダ州カリフォルニア州もそれなりに大きな馬産地であって、馬産地が分散してるというのがパッと思いつくところ。日本だと九州があるとはいえ、圧倒的に北海道に集中しているわけだし。
    で、日本はというと、アイルランドほどズバ抜けているわけではないけど、2002年のデータ*1だと、種牡馬数370、繁殖牝馬数11948、出生数8690、種牡馬1頭あたりの繁殖牝馬の数は32.3になっているので、繁殖牝馬の数も減っているけど、それ以上に種牡馬の数が減っていて、やっぱり日本も狭き門になっているのでした。米国は馬産自体が劇的に縮小してるわけですし、他の国も同様。時代の流れですかね。不景気ですかね。