Author: ijichi
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ツール・ド・フランス三週目のまとめ
いよいよ勝負のアルプスへ。
第16ステージ
最終週の初日はダラダラと登って、最後に2級山岳を越えてゴール。総合勢はアルプスまで動きはないかなと思っていたら、2級山岳の登りでコンタドールが単独でアタックをかましてきた。様子見なんて感じじゃなく、もう行き切ってやるという勢いで、追走できたのはエヴァンスとサムエル・サンチェスの二人。シュレク兄弟やヴォクレールは集団に取り残されてしまう。三人は下りでもどんどん後続とのタイム差を広げ、シュレク兄弟から大きくタイム差を稼ぐことに成功。アンディが下りに関してヘタレな言い訳をしていたけど、なんだかなぁという感じ。
ステージ優勝はフースホフト。エヴァンス達よりもさらに前で逃げていた面々からフースホフトとボアッソンハーゲンのノルウェー人二人が抜け出したけれど、最後はチームメイトのヘシェダルのアシストもあって、フースホフトがスプリントで勝利。山岳コースで二勝目のスプリンターw
集団もゴールして、あとはグルペットを待つだけかという空気になっていたら、カヴェンディッシュがアシストも従えずに一人涼しい顔でゴール。山岳ステージなのになんでこんな上位で帰ってきてるんすかw第17ステージ
アルプスの山岳三連戦初日。1級山岳を越えて長いダウンヒル、そして2級山岳を越えるプロフィール。逃げグループの中から2級山岳で動いたボアッソンハーゲンがその後を独走に持ち込んで今年のツール2勝目。二人しか出てないノルウェー人がステージ4勝目w
総合争いは2級山岳でレースが動く。コンタドールが登りで何度かアタックしたものの決定打にはならず。しかし下りでさらにアタック。サムエル・サンチェスとヴォクレールを引き連れて後続を引き離しにかかるけども、この3人ではヴォクレールが危っかしく、あぁ!と思わせるシーンを演出したかと思えば、ついに下りでオーバーランして沿道の民家のガレージにきれいにダイブ、そして着地。逃げ集団でも同じミスをやらかしている人がいたので本日二人目のガレージ侵入w
STAGE 17 – Image of the day / L'image du jour – YouTube
サムエル・サンチェスは元々下りが速いけど、コンタドールが下りをあんなに攻めたらメチャクチャ速いってのは意外であった。で、コンタドールはサムエル・サンチェスと共に二人でゴールに向かうけども、人数で勝る後続集団が必死の追走でなんとか差をつけられずにゴール。ヴォクレールがミスせずに三人でローテーションを回せていれば……と思うところだし、ヴォクレールにとってはタイムを失う痛恨のミスといったところ。第18ステージ
今年のツール最大の山場。超級アニェル峠を越え、超級イゾアール峠を越え、超級ガリビエ峠の頂上フィニッシュ。総合に大きく変動があること間違いなし。そしてこの日はレオパード・トレックの作戦が見事にハマった。
逃げ集団にモンフォールとポストゥーマを乗せることに成功したレオパード。二つ目の山岳イゾアール峠の登りの半ばでフォイクトさんの牽きからアンディが飛び出す。これに誰も反応せず、アンディはそのまま独走状態で先行。逃げていたポストゥーマのアシストを受け、イゾアールの下りではもう一人逃げていたモンフォールのアシストを受けて快調に差を広げていく。下りでは、アンディが先導役のモンフォールのお尻を押す場面が何度もあって、アッー!!
そのままアンディは逃げグループを全部飲み込んでガリビエの登りへ。後続のメイン集団ではサムエル・サンチェスとコンタドールのスペイン連合が何やらヒソヒソ。エウスカルテルの選手もわらわら集まってきたし、これはチームの枠を越えた無敵艦隊スペイン連合の流れ!!……であるが無敵艦隊は撃沈してナンボということで、サムエル・サンチェスは早々に遅れ、コンタドールも動かない。
そんなコンタドールを恐れていたのか、集団はお見合い状態で膠着。その間にもアンディはどんどん後ろとの差を広げているわけで、とうとう痺れを切らしたエヴァンスが先頭に立って追走開始。こういう場面でただ一人先頭を牽くエヴァンスさん、盛大に貧乏クジを引いてしまった。ヴォクレールもついていくがエヴァンスの前には出ず、ローランも後にくっついていくだけ。結局ガリビエの登りのほとんどをエヴァンス一人が牽いて、後ろはついてきただけ。あぁなんという貧乏クジw
で、残り2kmではコンタドールが脱落。山岳で遅れるコンタドールとかありえない気もするけど、調子が悪かったのだろう。そう考えると、このコンタドールを恐れて動けなかった後続集団のみなさんは大変運が悪い。そして先頭で追走せざるをえなかったエヴァンスさん、本当に運が悪すぎるw
結局、アンディが差を詰められながらもガリビエを先頭で登り切り、後続集団がそれに続いたけれども、有力勢から大きく遅れたコンタドールの総合優勝は非常に厳しくなった。で、なんだかんだでヴォクレールもマイヨジョーヌを守るという奇跡が続く。第19ステージ
後世に語り継がれるステージってこういうステージのことなんだと思う。昨日の失速で失うものはなくなったコンタドールが、王者の意地を見せるというのに相応しい攻撃的な走り。1級山岳テレグラフ峠を越え、前日とは違うルートからガリビエ峠を越え、最後は超級山岳ラルプデュエズへの頂上ゴール。
スタートしてすぐに逃げ集団ができていたけども、コンタドールが最初の山岳のテレグラフ峠の半ばでアタック。これにアンディとエヴァンス、ヴォクレールが反応したが、エヴァンスはメカトラで集団に後退。コンタドールは後ろを気にせず、快調に飛ばしていくので、本日の逃げ集団はほんと涙目。ヴォクレールもついていくもののギリギリの走りで、少しずつコンタドールやアンディから離されていく。そんなとき前を牽いてアシストをしたのはチームこそ違えど同じフランス人のピノー。1級山岳の頂上までピノーが牽き、下りに入ってヴォクレールがポンと背中を叩いて感謝を示す場面も。前を追うヴォクレールをさらにアシストしてくれたのは、これまたチームの違うフレチャ。第9ステージの落車云々で険悪な雰囲気になどという話もあったが、フレチャが前を牽き、最後にはフレチャがヴォクレールの尻を押して送り出す場面も。レースもクライマックスに差しかかり、ヴォクレールの奇跡的な奮闘に、チームの枠を越えたアシストができあがっていた。
コンタドールたちはそのままガリビエ峠も先頭で通過。しかし、ガリビエの登りでついにヴォクレールがついていけなくなった。一旦、後続集団に吸収され、そこからさらに遅れたけれど、ヨーロッパカーのアシスト陣に守られながらの追走。ガリビエ峠の下りではサムエル・サンチェスが異様に速い下りを披露して、あっちゅー間に先頭のコンタドールのグループに合流。他の選手が下りでも踏んでいるのに、全然踏まないサムエル・サンチェスの方が速い。さすが下りの名手。後続集団は今日もエヴァンスが先頭を牽き、なんとかラルプデュエズ前までにコンタドールのグループを捕まえたけれども、ここでも先頭を牽かされるエヴァンス、本当に貧乏クジを引きまくりである。そうこうしていると、エヴァンスのグループよりさらに後ろにいたヴォクレールのグループも追いついてきてレースは振り出しに。
そして、合流と同時にヨーロッパカーのローランがアタック、ここまでヴォクレールを守ってきたけど、自分の新人賞もかかっているわけで、アシストの役目から解放されて新人賞を狙うべくラルプデュエズの登りへ。その後ろのメイン集団からは、またコンタドールがアタック、これがまたすごいアタックであっという間に先にアタックしたローランたちをパスして先頭へ。なんというか、あぁこれがチャンピオンの意地なんだなぁという凄みを感じさせる走り。とはいえ、一人だけ違うペースで突き進むもさすがに最後まで持つわけではなく、最後はローランとサムエル・サンチェスに捕まって、ステージ3位。優勝はローラン。
ここまでマイヨジョーヌを守ってきたヴォクレールもついに陥落、アンディへマイヨジョーヌが渡った。第20ステージ
個人TTで最後の勝負。
総合順位の下から順にスタートということで、カンチェラーラは早々にフィニッシュ。宇宙人にしてはタイムは平凡。カンチェラーラが走った時間は天気が悪く、徐々に路面が乾いてきたってこともあって、条件がよくなかったか。
結局、ステージを勝ったのは人類最速と言われていたマルティン。前日と前々日でタイムアウト喰らってるのはどうなのって話を置いておけば圧巻の走りだと思う。いや、タイムアウトはどうなのよというのが本音だけど。
何よりすごかったのはエヴァンス。アンディに対して57秒差あったビハインドを中盤までに追いついて、後半はアンディとの差を広げる一方。不運な2ゲッターがついに文句なしの総合優勝である。貰い泣きした。
STAGE 20 – Image of the day / L'image du jour – YouTube
これに対してアンディはスタート前からガッチガチに緊張、イレ込みすぎなのが一目でわかるほど。元々TTも遅いし、今回は仕方なしの2位。山岳でもっと攻めてタイムを稼ぎにいくべきだった。
新人賞対決はローランがタラマエにTTで差を詰められたもののリードを守り切り、ヨーロッパカーはヴォクレールの総合4位と合わせて大成功のツールであった。 -
自転車パンク日記
帰り着く寸前に後輪がパンクしていることに気がついた。一度チューブに穴を開けたことがあるけど、あれはタイヤレバーでこすってしまったのが原因なので、走っている最中にパンクしたのは初めて。なんか刺さってるのを確認したので、明日以降にパンク修理でござる。
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ツール・ド・フランス二週目の後半戦
第13ステージ
ピレネー二日目。超級山岳オービスクを越え、下り切って10kmぐらい平坦があってゴール。とはいえ、オービスクがあるのが行程の中盤なので、あまり総合勢は動かない感じ。で、序盤にクレーデンがリタイアして本当にレディオシャックは悲惨。
逃げたのはこのツールで逃げまくっているロワ、他にモンクティエ、フースホフト、そしてなぜかペタッキもここに参加。オービスクの登りに差しかかるとまず飛び出していったのがフースホフト。だからなんでマイヨアルカンシエルを着てるスプリンターが超級山岳で飛び出していくんだよって感じですが、すぐにロワやモンクティエといった本職の登りの人達がフースホフトをパスして登っていく。フースホフトも自分のペースで淡々と登って、頂上を3位通過。ここからは下りの上手いフースホフトがグングン前との差を詰め、下り切る前にモンクティエを捕まえ、二人でロワを追走。で、残り3kmぐらいでフースホフトがモンクティエを置き去りにして、ゴール前2kmぐらいでロワをパスして独走でゴール。スプリンターの勝ち方とは思えないフースホフトさんマジかっこいいです。
本来はスプリンターのはずなのに、マイヨアポワを着てTTTを走り、一週目はマイヨジョーヌを守り、超級山岳ステージで勝つスプリンター。でも、マイヨヴェールは着ていないという意味がわからない状況です。第14ステージ
ピレネー三連戦の最終日。カテゴリー山岳をいくつも越えて最後に超級山岳プラトー・ド・ベイユを登り切ってゴール。
道中は、逃げに乗っていたフォイクトさんが山岳の下りでコースアウトして転落、スタスタと自転車を抱えて登ってきたり、リスタートして安全運転で下ってるな〜と思っていたら、今度はコーナーで転倒して苛立ちを隠せないのか、バイクカメラに真正面から悪態をついたりと、なかなかのやらかしっぷりである。というか、コースアウトしての転落は本当に下が茂みになっていてよかった。昨日のオービスクだったら……と思うとぞっとする。
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フォイクトさんはこの後、集団に合流して今日も元気に集団を牽いていたりと、やることやってお仕事終了。他にラボバンクのヒゲで暑苦しいでおなじみのテンダムが下りのコーナーで外に膨らんで、自転車に乗ったまま前に一回転、鼻血ダラダラみたいなシーンも。
ピレネー最終日だし、プラトー・ド・ベイユで総合勢は動いてくるかなーと思ったけど、あんまり激しい動きはなし。というか、今日も総合争いをする人達に混じって、なぜかwwwヨーロッパカーのヴォクレールとローランの二人ががんばっていて、アタックがかかる度にヴォクレールがチェックしにいく始末。これマイヨジョーヌを着て受けて立つ横綱の動きだと思うんですけど、なぜこの走りをヴォクレールがしているのか。ローランも途中で遅れたりしたけど、いつの間にかまた復帰してくるというミラクル連発。レオパード・トレックはダブルエースと考えれば、総合勢はみんな単独なのに、ヨーロッパカーだけアシストを残しているというありえない展開w
結果的にマイヨジョーヌ守るに必死になっているヴォクレールが総合狙いの選手のアタックにことごとく反応したため、決定的なアタックが決まらず、総合で遅れているファネンデルトとサムエル・サンチェスのアタックが容認されたぐらい。結局、ファネンデルトが逃げ切り、サムエル・サンチェスが2位、遅れて総合勢、しかも今日はヴォクレールがタイム差なしでゴールにw
遅れていたジルベールが丁度ゴールしたときに、ファネンデルトの表彰式が行なわれている最中で、ジルベールさん表彰式を見てニッコリ。そのまま表彰式の裏へ祝福へ駆け付け、ファネンデルトとキャッキャウフフ。
総合争いよりもヴォクレールの奮闘がすごかったピレネー三連戦でござった。第15ステージ
ピレネーからアルプスへと東進するつるぺた平坦ステージ。スプリンターにしてみれば、このステージと最終日のシャンゼリゼしかもう出番がない。ちゅうわけで、はいはいカヴェンディッシュが勝つんでしょという感じ。そして案の定HTCトレインが機能し、最後にレンショーに引き連れられたカヴェンディッシュが他を寄せ付けない走りで予定調和の勝利。ほんと強いですね。
ゴール前では今日も今日とてHTCトレインを潰すためにジルベールがアタック。ただ、この人はゴール前でアタックすると、一緒にアタックした選手にローテーションを要求することもなく、自分が先頭に立ってドンドン行ってしまう。よく言えば漢の走り、ベルギーチャンピオンジャージに相応しい男らしいアタックなのであるが、冷静に見れば、ネジ一本外れてるよなコイツ……頭おかしいんじゃないか……という無謀なアタックな気もするのであった。そこが魅力なのではあるがw -
ツール・ド・フランス二週目の前半戦
ヴォクレールがマイヨジョーヌ獲得で休息日に入ったツール・ド・フランス、二週目に入る前に妖精さん反応が出たということでコロブネフさんがツールを去っていきました。
第10ステージ
この日はマイヨジョーヌのヴォクレールを擁するヨーロッパカーが集団をコントロール……するはずだったのだけれども、普段やらないことは急にはできない。結局、ステージ優勝狙いのチームがコントロールすることにw
逃げを吸収したあとは、ヴォクレールやジルベールらがアタック。そこからさらにジルベールが単独でアタック。ジルベールのこういう馬鹿正直なアタックは見ていて清々しい。このアタックのおかげで追走集団のHTCのアシストが崩壊し、カヴェンディッシュが丸裸に。カヴェンディッシュは焦ってしまったのか、どう見ても早仕掛けで、最後は後ろにいたグライペルが差し切ってステージ優勝。一週目はジルベールがエーススプリンターのグライペルを差し置いて勝手にスプリントしちゃうことに腹を立てて、こんなのチームじゃないと怒っていたグライペルもこれで満足。
何より、去年まではカヴェンディッシュと同じチームにいて、カヴェンディッシュの2番手スプリンターの地位に甘んじていたグライペル。ツール出場のチャンスを求めてチームを移籍、で、カヴェンディッシュを相手にしての勝利だから大満足でしょう。第11ステージ
今日もマイヨジョーヌをキープしているヴォクレールを擁するヨーロッパカーですが、やっぱり集団コントロールは早々に放棄して、スプリンターチームに譲ることにw
激しい雨の中、カヴェンディッシュが安心と信頼の発射台レンショーに先導されてゴールスプリントへ。こうなれば敵なしで、後ろからグライペルが迫るけれども、危な気なく押し切ってカヴェンディッシュがステージ優勝。マイヨヴェールもゲット。
カヴ対ゴリラの二日間でした。第12ステージ
フランス革命の記念日。いよいよ舞台はピレネーへ。本格的な山岳ステージの始まりということで、総合優勝争いも本番です。1級ウルケット・ダンシザンを越え、超級トゥールマレーを越え、超級リュザルディダンを登り切ってゴール。さすがにこのコースではヴォクレールもマイヨジョーヌを守ることは無理だろうということで、本人も「今日でマイヨジョーヌを失うだろうね」とコメント。
まず、スタート直後に決まったのは6人の逃げ。この中にはFDJのロワも含まれていて、この人は本当によく逃げにチャレンジしてる。そして、1級のウルケット・ダンシザンでシャヴァネルとフーガーランドクロイツィゲルが前を追うべく抜け出す。一週目に落車して以来、ずっと精彩を欠く走りだったシャヴァネルが、この日はフランス革命の記念日ということもあってか、フランスチャンピオンジャージここにありというアタック。フーガーランドもまだ傷が痛々しい。アスタナとしてはヴィノクロフがリタイアした今、クロイツィゲルにステージを狙ってもらうしかない。1級の下りではジェレイント・トーマスが転落スレスレのコースアウトを2回。続くメイン集団も同じところで落車発生。ヴォクレールがコースアウトして沿道の車に衝突。そしてレディオシャック最後の砦クレーデンも巻き込まれてついにレディオシャックが終了。
トゥールマレーの登りに差しかかると、気がつけばレオパード・トレックの面々が集団の先頭に勢揃い。こうなるとやることは一つ、集団のペースを上げる集団破壊作戦で、さっそくカンチェラーラが先頭を牽いてペースアップ。途中でお仕事終了して、オグレディへ、フォイクトさんへとバトンタッチ。んで、そのフォイクトさんが圧巻だった。トゥールマレーの登りの半分以上を牽き続けたんじゃなかろうか。今年40歳になろうというおっさんがトゥールマレーで集団を鬼牽き。まさに集団破壊の鬼牽きといった走りで、同じチームのゲルデマンあたりも脱落していく始末。これでヘーシンクやマルティンといった総合で上位に入れればいいなという面々が脱落。マルティンなんかは今にも死にそうな顔。あと、アンディが貫禄のパンク発生でストップ。トゥールマレーの下りでは、ジルベールやサムエル・サンチェスといった下りの上手な面々が飛び出して先行することに。
んで、最後の超級山岳リュザルディダン。まだ集団を牽くフォイクトさん。もう集団はバラバラに破壊され、AG2Rのロッシュも脱落、ナバーロやクリスアンケル・セレンセンといったコンタドールのアシスト勢も脱落。これでようやくフォイクトさんもお仕事終了。あとは総合優勝を狙う人達の争い。総合狙いで残っているのは、コンタドール、エヴァンス、シュレク兄弟、クネゴw、リクイガスのバッソとシュミット、ライプハイマー、ダニエルソンなどなど。そしてこの集団の先頭には、なぜかまだ奮闘しているマイヨジョーヌのヴォクレールとアシストのローラン。ここで何やらリクイガスの二人がゴニョゴニョと相談、んで、鬼軍曹シュミットが集団の先頭に立ち、続々と先行勢を飲み込んでいく。アタックして逃げに出たサムエル・サンチェスはファネンデールとともに順調に登っていくが、序盤から逃げていた面々はどんどん吸収。シュミットの先導でさらに集団は絞られ、いよいよ総合狙いの実力者しか残っていない状況に。あとなぜかヴォクレールとローランも残っているけどこれはもう意味がわからないw
誰が仕掛けるのかと思っていたけれども、やっぱりシュレク兄弟を中心にアタック合戦。この状況で二人残っているシュレク兄弟は有利で、二人で交互にアタック。そしてまだ粘るヨーロッパカーの二人。残り約2kmでフランクの単独アタックが決まり、先頭に追いつく勢いで登ったものの、前の二人には届かず3位。続いてやってきたのがバッソ、エヴァンス、アンディ、少し遅れてクネゴ。カーブを曲がったときにコンタドールがいなかったので、あぁもう前にいるのかと思ったら、なんとコンタドールが遅れていた。ペダリングも軽やかではなかったし、本当に調子が悪いのかもしれない。第1ステージの落車に巻き込まれたときはいいハンデになったと思ったけど、ちょっと厳しいかも。
ステージ優勝はサムエル・サンチェス。これがツール初勝利とのこと。まぁピレネーはバスクの方々の本拠地みたいなもんですし。
驚いたのがヴォクレール。終わってみれば先頭から50秒遅れで踏ん張ってマイヨジョーヌを守った。フランス革命の記念日にフランス人がマイヨジョーヌを着ているなんて素晴しいですね。総合争いのみなさんに混じって、ヨーロッパカーの二人が奮闘している姿に感動したピレネー三連戦の初日でした。 -
ツール・ド・フランス一週目のまとめ
アクシデントだらけの一週目でした。
第1ステージ
今年のツールのスタートは干潮時に現れる道から。そこに至るまでのパレード走行でグライペルが落車して、アクチュアルスタートが切られる前にメディカルカーのお世話になっていたのが印象的でした。
そして何より、残り約10km地点でイグリンスキーが沿道の観客と接触して落車。イグリンスキーが集団側に倒れたので、大落車となり、道は塞がれ、総合優勝狙いの選手の中ではコンタドールとサムエル・サンチェスが取り残されてしまった。これに乗じてBMCとレディオシャックが前の集団を牽きまくり。これが第1ステージじゃなくて、例えばコンタドールがマイヨジョーヌを着た状態だったらとか思うけど、それはタラレバの話。
さらにコンタドールは残り3km地点での落車でも足止めを喰らい、初日で1分20秒もの差をつけられてしまった。残り3km地点での落車に巻き込まれたアンディ・シュレクは救済措置があるけど、コンタドールは救済なし。
初日のマイヨジョーヌ獲得は登りフィニッシュを制したジルベール。アルデンヌクラシックのような登りのゴールだと本当に手がつけられない。第2ステージ
チームタイムトライアルの一日。マイヨアポワを着たフースホフトに笑った。ガーミン・サーヴェロが最速タイムを叩き出し、フースホフトがマイヨジョーヌをゲット。
そしてレオパード・トレックのシュレク兄弟は本当にTTだと役に立たないw第3ステージ
逃げたグティエレスがバイクカメラにツバをつけるイタズラを二回も。敢闘賞を貰えなかったのはこれのせいじゃないのかと。
この日はつるぺた平坦ステージなので、トレイン組んでのスプリントバトルかと思いきや、早くから集団を牽かされたHTCのトレインが途中で崩壊、ガーミン・サーヴェロがミラー、フースホフト、ジュリアン・ディーンの順に切り離して発射されたタイラー・ファラーがステージ制覇。マイヨジョーヌが発射台になる贅沢なトレイン。
STAGE 3 – L'image du jour / Image of the day – YouTube第4ステージ
この日のゴールは3級山岳のミュール・ド・ブルターニュを登り切ったところ。これだと総合を狙う選手や、ジルベールみたいに登りでアタックができる選手しか残れないと思いきや、一人だけ黄色いガチムチの男が必死に喰らい付いていって、なんとタイム差なしでゴールw
カヴェンディッシュやファラーといったスプリンター達が早々に仕事を終えて後方に下がったのとは対照的にフースホフトの兄貴が大激走。
そして優勝したエヴァンスと並んでゴールした2位のコンタドールがガッツポーズしちゃう恥ずかしいシーンも。99年の有馬記念のようだった。
STAGE 4 – L'image du jour / Image of the day – YouTube第5ステージ
アップダウンこそあれ、基本的には普通の平坦ステージのはずだったのだが、落車に次ぐ落車で不穏な空気に。序盤にシャヴァネルやウィギンスが落車していたのは序の口で、中間スプリント地点を通過した後、ブライコヴィッチやヘーシンクが巻き込まれた落車が発生、すぐには動けなかったブライコヴィッチは病院行きでリタイア。それも束の間、今度はコンタドールが落車してバイク投げ。さらに、サクソバンクのニキ・セレンセンがカメラマンを乗せたバイクに引っ掛けられて落車し、自転車だけズルズル引き摺られていく始末。初日のコンタドールといい、サクソバンクはチーム丸ごとお祓いに行くべき。などと思っていると、今度はボーネンが落車。再スタートしてタイムオーバーを回避するべくアシストとともに前を追ったけれども、ジャージは破れ、血が滲み、本当に痛々しかった。エウスカルテルのベラスコがゴールに近い街中の狭い道でフェンスと接触して落車していて、本当に落車の多い一日だった。
STAGE 5 – L'image du jour / Image of the day – YouTube
最後はボアッソンハーゲンが早漏気味に早仕掛け、それを後ろからフェイユ、フースホフト、ジルベール、ボネが追いかけ、その大外からカヴェンディッシュが一人で飛んできて差し切って今年のツール初勝利。当然のごとく嬉し泣きした後の顔でインタビューに出てきたカヴェンディッシュさんにワロタ。第6ステージ
白い新人賞ジャージのジェレイント・トーマスに先導されたボアッソンハーゲンがきれいに発射されてステージ優勝。
STAGE 6 – L'image du jour / Image of the day – YouTube
ちなみにこの日はライプハイマーが救済される寸前のあたりで単独で落車。レディオシャックもお祓いが必要なレベル。第7ステージ
この日もつるぺた平坦ステージ。これは集団スプリントですなと思っていたものの、この日も落車多発。
道中、急にボーネンがペースを落として停車、自ら自転車を降りる。あ、これは、もしかして……ということで、残念ながらボーネンはリタイア。先日の落車の影響でベルギーの英雄がツールを去ることに。
で、今日もクロイツィゲルやポポヴィッチが巻き込まれたり、ウィギンスが巻き込まれたりと落車が続く。前哨戦のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネを勝って調子が良さそうだったウィギンスは鎖骨骨折でリタイア。そしてウィギンスとともにレディオシャックのホーナーも巻き込まれ、しばらく動けず。結局一人で追走してゴールには辿りついたのだけれども、後のニュースなどによれば、頭を打っていたようで、ゴールしたときには、なぜ自分がこんなに遅れているのか、いつ落車したのか、何kmぐらい一人で走ってたのか、などなどの記憶がない状態だったという。そのまま病院直行。
さらにレディオシャックは受難、ライプハイマーがゴールまで残り5kmぐらいでパンク。ブライコヴィッチ、ライプハイマー、ホーナー、クレーデンとエース級を4人も揃えていたのに、無傷なのはクレーデンだけという惨憺たる状況。しかも全部アクシデントでってのが悲しい。
最後はHTCが9人全員で組まれた世界最速の芸術的なトレインからカヴェンディッシュを発射してステージ制覇。第8ステージ
ホーナーがDNSということで、レディオシャックで総合の望みがあるのはクレーデンのみになってしまった。9人のうち4人も総合上位を狙える陣容だったのに。
この日はなんといってもヴィノクロフ大佐のアタック。このツールを最後に引退ということで、なんとしてもマイヨジョーヌを着たいという思いの詰まったアタック。最後は失速してしまったが熱い走りだった。結果的にこれが最後の見せ場となってしまったのだが……
勝ったのはモビスターのルイ・コスタ。逃げ集団から抜け出し、最後は独走で逃げ切り。その後ろにジルベールを先頭にした集団。そして今日も登りゴールなのに黄色いジャージのガチムチでゴツい人が集団の中で一人踏みまくっている姿が。フースホフト本人も第8ステージでマイヨジョーヌを失うことになるだろうってコメントしてたのに、終わってみればマイヨジョーヌをがっちりキープ。この人の登坂能力どうなってるのw
STAGE 8 – L'image du jour / Image of the day – YouTube
他のスプリンターのみなさんはもちろんグルペットでゴール。第9ステージ
ツール・ド・フランスの一週目の今日で終わって明日は休息日、アクシデントが多い週だったなと思いきや、この日は最悪な状況に。
まず、峠の下りで大規模な落車が発生。崖下へ転落していったのはヴィノクロフ。アスタナのアシスト陣が両脇を抱えて引き摺り上げるも、大腿骨、骨盤の骨折だそうでリタイア。そのまま病院へ搬送。現役最後のレースをこのような形で去ることになるとは。大佐、おつかれさまです。
この落車の中にはオメガファーマ・ロットのファンデンブルックと、レディオシャックのクレーデンも含まれており、ファンデンブルックは鎖骨骨折でリタイア、オメガファーマ・ロットは総合狙いのエースを失うことになった。クレーデンはリタイアこそしなかったものの、レディオシャックのエース4人衆の最後の砦もついに手負いの状態に。
STAGE 9 – L'image du jour / Image of the day – YouTube
レースはヴォクレール、ルイスレオン・サンチェス、カザール、フレチャ、フーガーランドの5人の逃げ。集団は落車の影響でペースが上がってこないし、逃げの5人はなかなか濃いメンバー。これなら逃げ切りもあるだろうし、集団とのタイム差によっては……などと思っていると、この逃げ集団で最悪なアクシデント。テレビ局の車がフレチャの横を併走しているときに、急にフレチャの方に進路を変更し、フレチャを弾き飛ばしてしまった。フレチャはこの影響でヴォクレールの後輪と接触して転倒。そして、フレチャの後ろを走っていたフーガーランドも巻き添え、フーガーランドに至ってはまさに吹っ飛んだという感じで、道路脇にダイブ、しかもそこに有刺鉄線が張られていて見るも無惨な姿に。ジャージは裂け、有刺鉄線に絡まり、これはリタイアでもおかしくない状況。フレチャもフーガーランドも再スタートしたものの、痛々しくて見ていられないし、フーガーランドは両足に巻いた包帯から血がダラダラ流れてるし……
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セレンセンを引っ掛けたバイク、今回のテレビ局の車、両者ともに追放処分を受けたのは当然。あんなもの交通事故でしょ。
結局、ステージ優勝は逃げで残った3人の争いになって、勝ったのはルイスレオン・サンチェス、そしてマイヨジョーヌはヴォクレールに移動することになった。カザールはちょっと元気がなかった。
この日のレースは散々なものだったけども、ヴォクレールの表彰式の笑顔で和んでしまった。嬉しさを抑え切れない、嬉しくてたまらない、本当に喜び爆発といった感じ。ただ、マイヨアポワを獲得したフーガーランドはなんとかゴールまで辿りついて表彰台に上ったけども、目には涙。本当にやるせない。
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Hayley Turner
Horse Racing News | Racing News As It Happens | Racing Post
Hayley TurnerがついにG1ゲット。英国で女性騎手がG1を勝つのは二人目なのだとか。 -
淡河から岩谷峠を越える
田舎を走っているとヘビの轢死体をたくさん見かける季節になりました。
三田市から三木市の吉川町に抜けて、ゴルフ場乱立地帯の丘のアップダウンを越え、道の駅淡河で一休みし、岩谷峠を汗だくになりながら登り、途中、ノーヘルでダウンヒルしてる勇者とすれ違い、箕谷から有馬街道を通って帰ってきました。有馬街道も唐櫃を過ぎてからは道が狭くて路肩がないし後ろからは車が来てるしで、どうしたらいいのかわからない。思いっきり漕ぐしかないのだと思う。何はともあれ、地元に帰り着いて汗だくで飲むコーラは格別ですな。
岩谷峠は一度行ってみようと思っていたところで、六甲山の裏にある山のど真ん中を突っ切って越える感じ。斜度はあるけど、距離が短かいので助かります。





- Time 3:22’12
- Dst 57.18km
- Ave 16.9km/h
- Max 44.5km/h
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ツール・ド・フランスが始まる前に上半期のレースを振り返っておく
ここらで書いておかないとタイミングがなくなる。主にモニュメント。
ミラノ〜サンレモにファルネーゼヴィーニ所属で、去年の日本チャンピオン宮澤選手が出場。モニュメントレースに日本チャンピオンの姿があることになった。レース前のセレモニーで日本国旗が掲げられ、宮澤選手が涙を流すシーンもあった。
序盤に決まった逃げに宮澤選手が乗り、約200kmに渡って逃げ続けた。これだけでも熱い展開だったのだけど、残り100kmぐらいで宮澤選手が逃げから脱落、後続集団に吸収された後も、ヴィスコンティを従えて集団を引く姿にはさらに胸が熱くなった。震災のすぐ後という時期で、いろいろとスポーツでも震災へ向けてというシーンがあったけど、日本チャンピオンがミラノ〜サンレモで集団を引くシーンが一番胸が熱くなるシーンだったように思う。宮澤選手は集団をペースアップさせてお仕事終わり。
レースは先頭集団にカンチェラーラなどの有力選手がいる展開、後続集団は集団落車があって追走するもなかなかペースが上がらない。後続集団にはカヴェンディッシュ、フースホフト、フレイレといった有力どころが取り残されてしまった。その中でスカルポーニがたった一人で先頭集団を追いかけるシーンもあって、単独での追走なのに先頭集団に追いつくという根性の走りを披露したのだった。普通あれ追いつけないよね。ミラノ〜サンレモで熱いシーンその2といったところ。
決着はスプリント勝負で。さすがにあのメンバーでスプリント勝負をすればゴスが勝つよねって感じではあったが、カンチェラーラが最後の峠を越えたところで、早めのスパートから先頭集団をサバイバルレースに持ち込んだ戦略は見応えがあったし、順々に脱落していくレースでエキサイトした。ゴスは道中は存在感がなかったけど、スプリントなら負けない。スカルポーニもスプリントに参加していたように思うけど、この人は先頭集団に追いついただけですごい。
ほいで、ロンド・ファン・フラーンデレンとパリ〜ルーベの北のクラシックへ。前哨戦のドワルス・ドール・フラーンデレンはナイエンスが勝利、ヘント〜ウェヴェルヘムではボーネンが復活の勝利、E3プライス・フラーンデレンではカンチェラーラが圧倒的な力の差を見せつけての勝利という感じ。
そして本番、ロンド・ファン・フラーンデレンはシャヴァネルが逃げることになったところで、カンチェラーラ対シャヴァネルとボーネンを擁するクイックステップ勢の争いという空気に。それでもさすが宇宙人カンチェラーラ、ボーネン達を振り切ってただ一人、逃げるシャヴァネルを追走し、あっさり追いついてしまった。しかしシャヴァネルも追いつかれてからは付き位置で追走、このままローテーションせずにカンチェラーラに先頭を引かせて後続が追いつくのを待つ走り。こうなってもカンチェラーラならシャヴァネルを置き去りにしていくかなと思ったのだけど今いちペースが上がらず、カペルミュールの途中で後続集団が一気に襲いかかってレースは振り出しに。そこからはジルベールの早仕掛け→タレるの様式美や、バッランはなぜそこでアタックなど、思い思いに動き、最終的にアタックして抜け出したのはまたカンチェラーラ。これにシャヴァネルとナイエンスが反応して、最終的には3人でのスプリントとなり、ナイエンスが勝利。カンチェラーラはディフェンディングチャンピオンとして受けて立つ走りではあったが、補給に失敗したか、脚を気にする場面もあって残念ながら敗戦。レース後には脚が攣っていたとか言ってたっけ。それでも負けて強し、次週のパリ〜ルーベでも断然の優勝候補ということに。
で、パリ〜ルーベ。今度はカンチェラーラ対フースホフトやファンスーメレンを擁するガーミン・サーヴェロの展開に。終盤ではカンチェラーラがフースホフトやバッランといった新旧の世界チャンピオンを引き連れてアタックするも、フースホフトやバッランは追走だけで手一杯、しかしその間にも先頭ではフースホフトのチームメイトであるファンスーメレンが一人抜け出して独走へ。カンチェラーラの出方を巡って後続ではお見合い状態が続いて、ファンスーメレンがタイヤをパンクさせながらも逃げ切って驚きの勝利。ガーミン・サーヴェロ的にはチームの勝利ということになった。仮に追いついてフースホフトとカンチェラーラのスプリント勝負になったとしたら、おそらくフースホフトに分があったのだろうけど、そういう展開でフースホフトが勝っても酷評されるだけだろう。ファンスーメレンが勝ってゴール後に恋人にプロポーズするというリア充すぎる話でよかったのかもしれない。ボーネンはアランベールでメカトラがあって早々に終了、アシストもおらず、再び走り出すまでの時間はどれほどの長さに感じただろうか。クイックステップ勢はシャヴァネルも奮闘していたけど、この人は落車落車でレースどころではなく傷だらけになりながらの完走。
カンチェラーラはどちらも勝てなかったけど、前哨戦で圧倒的な強さを見せてしまったことで、周りのマークがきつくなりすぎてしまったのが敗因か。どちらのレースも負けて強し、一番強かったのはカンチェラーラで間違いない。
そして、北のクラシックが終わるとアルデンヌクラシックの季節。
アムステルゴールドレースとフレッシュ・ワロンヌを危な気なく勝ったジルベールがアルデンヌクラシック三連勝をかけてリエージュ〜バストーニュ〜リエージュへ。対するはレオパード・トレックのシュレク兄弟。終盤、ジルベールとシュレク兄弟が三人で抜け出して、勝負はこの三人に絞られた。こうなった時点で、シュレク兄弟が交互にアタックを仕掛けていけば数の勝負で圧倒的に有利に運べたと思うのだけど、この兄弟、人がいいのかもしれない。決定的となるようなアタックは仕掛けられず、最後にジルベールが二人を振り切ってアルデンヌ三連勝。アップダウンがあって最後にきつい登りがあるようなコースでは今のジルベールは手がつけられない。ジルベールが早仕掛けからタレるというのは一種の様式美なわけだけど、キツい登りでの鋭いアタックは超一級品で、こういうコースでは今のジルベールに隙はない。あと、終盤でも自分から動いて追走集団を引く姿はかっこいい。
んで、5月のジロ・デ・イタリアやツアー・オブ・カリフォルニア、6月のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネ、ツール・ド・スイスなどがあり、先週末の各国の国内選手権を経て、今日からのツール・ド・フランスへというわけですね。モニュメントを中心に振り返ったのでステージレースはガン無視ですが、とりあえずツール・ド・フランスの一週目はクラシックライダーのみなさまが活躍する期間ですし。
ちなみに、各国選手権はというとカンチェラーラやジルベール、シャヴァネルなど、順当に強い人がタイトル獲ったよねという感じ。特にシャヴァネルさんがフランスチャンピオンとは胸が熱い。北のクラシックやアルデンヌクラシックでいい走りを見せたジルベールとシャヴァネルがそれぞれにナショナルチャンピオンジャージを獲得してツール・ド・フランスに参戦するわけで、総合争いとは別にこの二人が一週目にどういう走りを見せるのかというのは楽しみなところ。
また、ツール・ド・フランスのチームプレゼンテーションでナショナルチャンピオンジャージが披露されたけども、カンチェラーラのレオパード・トレック仕様スイスチャンピオンジャージはあまりかっこよくなかった。サクソバンク時代の方が断然かっこいいスイスチャンピオンジャージなのでは……
チームプレゼンテーションでは、他にもトール・フースホフト (Thor Hushovd) さんがトールハンマー (Thor’s Hammer) を持って登場するというコスプレもありましたが、
Photo gallery: the Tour de France team presentation | Cyclingnews.com
ツール・ド・フランスの沿道にいるコスプレイヤーがトールハンマーを持って登場するのを期待しております。