Category: randonneuring

  • 2018 Cascade 1200 Day 2 : Terrible thunderstorm!

    スタッフにトントンと肩を叩かれて起きたのは6:00である。寝坊だ。やってしまった。体育館にはもう誰も寝てる人はいない。慌てて寝袋を片付け、慌てて朝食を取り、慌てて出発の準備をする。5:00には起きて6:00前には出発しているはずだったのに。というか、起こしてくれてありがとうとしか言い様がない。

    準備をして外へ出ると、もうほとんどの人が出発している。残っている自転車はDNFした人とか、ギリギリでStevensonに到着した人のものだろうか。ちょうど姫井さんも準備をしているところだった。昨晩は道に迷ったりして大変だったらしい。結局スタートしたのは6:30なので、オーバーナイトコントロールのクローズ時間である。貯金ゼロからのスタートだ。

    2日目のルートは以下の通り。

    まずColumbia River沿いに東へ向かう。そして川沿いを離れて、荒野というのか、なんといえばいいのか、西部劇に出てきそうなエリアへ。アップダウンの連続があったり、渓谷を下って登り返したり、地平線に向かって走ったりと大陸の雄大さを感じる景色が続く。Hanford Siteの近くを通り、北上を続けてQuincyの町へ。名のある大きな峠はないものの、1000m近くまで登っているということもあり、なかなかにタフなルートである。また、1日目とは打って変って一気に暑くなるようだ。暑さは事前に聞いていたことなので、この日からハイドレーションパックを背負った。この日、自分のGarminでは40度まで気温が上がっていた。

    景色が一変

    慌てて飛び出したものの、Columbia River沿いは大きなアップダウンも信号もないので、アベレージの速度はどんどん上がり、すぐに貯金ができる。川沿いを離れる頃には特に時間に追われることもないぐらい貯金ができていたはず。気持ちに余裕があった。写真を撮っていないが、Columbia Riverの対岸に見えてた大きな山はMount Hoodというらしい。

    川沿いを離れると一気に景色が変わる。すでに暑いのだが、さらに暑くなること間違いなしの空模様。

    途中のKlickitatというところで先に出発していったたけさんが何かの店の前で休憩していた。

    ダイナミックな景色。伝わるだろうか。ただ、このあたりからどんどん気温が上がってきていて、今日は大変だな……という気持ちになっていた。とにかく日陰がない。少しでも日陰があればまだマシだと思うが、直射日光に晒され続けるのはなかなかキツい。

    立派な山。あとで「2日目の昼ぐらいに北上してるときに左手に見えた立派なのがMount Rainierか?」って尋ねると、たぶんそれは違うとのこと。Mount Adamsだろうか。

    90km地点ぐらいで最初の登りを登り切って、あとは次のGoldendaleまで平坦なのかなと思ったが甘かった。RWGを拡大すればわかるが、小さいアップダウンが続いている。平坦なんてほとんどない。アップダウンアップダウンアップダウン……うぅ……

    Goldendaleのコントロールに到着。吉岡さんがいた。たけさんも少しして到着。自分はもう暑くてヘロヘロ。お腹が減っていたので大きいサンドウィッチと菓子パンみたいなのを買ってくると、隣りにいた参加者が「お前そんなに食うのか。どんだけ腹が減っているんだ」とか言ってきた。アメリカ人からしても食いすぎらしい。サンドウィッチ一つで満腹になったので、パンは背中に突っ込んで、水を満タンまで補充して再スタート。吉岡さんもたけさんも先に出発してた。

    Noと言える力

    米国の方々、追い越しや止まっている人をパスする際に「How’s it going?」とか「Are you OK?」と声をかけるので、まぁ何も考えずに「Thank you!」とか「Fine!」と返すのだが。

    「Are you OK〜?」

    「No!!!!!」

    「え、Noなの(笑)」

    Goldendaleを出発してちょっと行ったことろで、自分もみなさんに倣って止まっている人に「Are you OK?」と声をかけて通り過ぎると、後方から「No!!!!!」っていう返事が聞こえたので引き返した。Noと言える力、大事だと思う。メカトラだったのだが、残念ながら自分の手持ちの工具では力になれなかった。先に行かせていただく。

    「すまんかったな。わざわざ止まってくれてありがとう」と一言。紳士だ。

    雄大な景色

    そういう出来事があった後の130km地点からの渓谷を下って登ってがこの日一番感動した景色かもしれない。

    まるでツール・ド・フランスの山岳ステージのようだった。

    ちょっと下って登り返すだけと思っていたが、このまま1000m近くまで登るので実は結構大変。予習不足だった。暑さで水はどんどん減るし、エネルギー補充用のジェルもどんどん消費されていく。特に水がヤバくてほぼ底をつく寸前。この登りの途中にスタッフによる水のサポートがあって本当に助かった。当初はなんでこんなところに水だけのサポートが?と思っていたが、確かに必要なサポートだ。冷たい水、めっっっっっっっちゃうまい。ハイドレーションパック、ボトルともに氷を入れて水を満タンにしてもらった。

    しばらく登りが続くが、登り切ってしまえば次のBickletonは近い。またアップダウンの連続なんですが。

    Bickletonのコントロールではたけさんや吉岡さんが休憩中。普段、日本のブルベではアイスなんて食べないが、さすがに暑くて耐えられないのでアイスクリームを注文。体内から冷やしたい。

    またまた地平線に向かって走れ!みたいな景色が続く。山というか大きな丘というか、そういうものを越えると、眼下に緑の町並みが広がる。Mabton、Sunnysideといった町がある平野部だ。そしてさらにその先に見える山というか大きな丘を越えねばならない。マジか……暑いし眠いしでもうクタクタなんですが……

    Mabtonへ下り切ったところにガソリンスタンドがある。吸い込まれたランドヌール多数。もちろん自分も。そして後続のみなさんも。ここでも身体を冷やすために冷たいものをグビッと。

    暑くてバタンキュー

    Mabton、Sunnysideの町を抜け、もう一度山というか大きな丘というか、そういうものを越えるわけだが、時間も18時を過ぎて眠くなってくる。暑さにやられていることもあって、とにかく日陰、日陰……という状況になり、途中で見つけた日陰に吸い込まれる。自転車を倒してそのままバタンキュー。10分ぐらい仰向けに寝転がる。といってもただの道路の脇だが。

    走行再開して登り始めると、たけさんも道路脇に座り込んで休憩していた。

    そして2日目もナイトライドへ。

    やって来ましたHanford Site(のゲート)。長崎に落とされた原爆に使われているプルトニウムは、ここで精製されたものらしい。今でも核汚染の問題が残っている地域とのこと。

    すっかり日は暮れ、到着したのがVernitaのサポート。Bickletonで寝てた人、また寝てる……

    悲しみの落車

    Vernitaを出発し、暗闇の農場地帯を走って到着したのがMattawaのコントロール

    こちらがCascade 1200で一番悲しかったシーンである。

    www.youtube.com

    22時を過ぎているので街中の店ではなく、ガソリンスタンドの前でスタッフがコントロールを開設しているのだが、すっかり忘れていてコントロールはもう少し先だと思い、ガソリンスタンドを通り過ぎようとしてしまった。

    「おーい!コントロール!」

    と突然呼び止められ、あーそうかと思って急に右にハンドルを切ったところ、下が砂利だったので、そのままズズズと滑って落車。悲しい。

    最初に気になるのはおにゅうのCascade 1200ジャージが破れてないかどうか、右側に倒れたのでリアディレイラーが大丈夫かどうか、身体の心配は一番最後。幸いいずれもダメージはなさそうなので、走行続行に支障はなさそう。こんなところで落車DNFとか笑えんので、本当に運がよかった。

    最大の危機・サンダーストーム

    Mattawaのコントロールを出ると、Quincyのオーバーナイトコントロールまで60km程度なのだが、最後のこの区間が2日目で一番疲弊した区間だと思う。

    Mattawaを出発して快調に走っていたのだが、最後の登りが終わる数km手前で急に風が強くなり、遠くでは稲妻がピカピカと光り出す。風はどんどん強くなり、道路の右端を走っているとそのまま道路外まで押し出されそうになる。車が通ることもないので、頑張って道路の左端まで行き、ジリジリと右に押し戻されつつ、また左端まで戻って、風に押されて右へ……みたいなことを繰り返す。Google Mapsで見ればわかるが、周りに何もないところなので風の影響をもろに受けてしまう。真夜中にスマホ圏外の何もないところでサンダーストームに遭うと「これは遭難なのでは……」ってドキドキが止まらなくなる。

    goo.gl

    こういうところで風が吹き荒れるとマジどうにもならない。

    後日、SIRのFacebookグループに投稿されていたが、新聞記事になるぐらいのサンダーストームで、時速50〜60マイルの突風を伴うものだったらしい。自分は登りがあと少しで終わるところだったので、下り始めてからはあまり影響を受けなかったけれど、自分より後ろのグループはこのサンダーストームでDNFした人が何人かいたらしい。本当に遭難したのではないかと思うぐらいの状況だったので、無事走り抜けられたことに感謝。

    Quincyまで緩い登りになっているのが恨めしかったが、最後の一踏んばりでやっとこさQuincy High Schoolに到着。時刻は3:50であった。ささっと食事を済ませ、シャワーを浴びてさっさと寝ることにする。Quincyのクローズは8:04なので、6:30ぐらいまで寝てクローズの少し前ぐらいに出発するか……と思って就寝。

    大変な一日だった。

  • 2018 Cascade 1200 Day 1 : Welcome to Seattle!

    当日である。ライダーミーティングが終わって部屋に戻ったものの、時差ボケもあってなかなか眠れず、2〜3時間うとうとしただけで目が覚めてしまった。そして部屋の外を見てみると雨が降っている。Seattleは雨が多い街だとは聞いていたが、なにもスタート前に降らなくても。ただ、天気予報と雨雲レーダーを確認すると、スタートする頃には止む可能性が高い。レインウェアを着込むほどのものではなさそう。今降っている雨がスタートまでに止みますように……と祈る。頼む!

    スタートまで時間があるので、薄暗い部屋の中で写真を撮り始めたりする。時間を持て余している。

    白い粉キメていくぜ!ちなみに、白い粉の効用に”improves mental acuity”とあったのでたぶんヤバいやつだと思う。

    ジャージはきれいなブルー。Randonneurs USAのキャップはSusanさんから日本人参加者へのプレゼント。ありがとうございます。

    荷物をまとめた。出発準備OK。

    1日目はCascade 1200ジャージとRUSAキャップで走る。

    4時頃にフロントに出ると、参加者のみなさんが準備を始めていた。

    自転車はいつもと変わりなし。装備もいつもと同じ。いつもと同じというのが大事。

    まだ少し雨が降っているが仕方ない。ドロップバッグ、飛行機輪行用ケースを預け、スタート地点へ向かう。*1

    スタートへ

    やってきました。Space Needleです。

    ぞろぞろと他の参加者も集まってくる。ブリーフィングは前日に済んでいるので、スタート地点のサインをもらい、スタート時刻を待つだけ。スタートの雰囲気は日本の普段のブルベと変わらない。ウェーブスタートのようなものはなく、60人が一斉にスタートするようだ。まだ雨が降っているが、幸先が良いと思うことにする。止まない雨はないのだ。

    さて、1日目のコースは以下の通り。

    Seattle市内を抜け、カントリーサイドを南下。最初のサミットはSkate Creek Roadの159km地点。Mount Rainierの麓を通る道路だ。下ってしばらく平坦を進んだ後、258km地点のElk Passに向かう。Elk Passから下ると次は310kmのOldman Passへ。そして357kmのStevenson High Schoolのオーバーナイトコントロールまで下る。Google Mapsで信号がほとんどないというのは確認済みなので、かなり緩めに見積っても20時間ぐらいあれば十分だろう。不安はあるが、走り出してしまえばなんとかなるものである。なんとかなるという精神で普段のブルベも走っているのだから、たぶんなんとかなるのである。

    ほぼ5時定刻。一斉にスタートする。Seattle市内はまだ交通量はほとんどなく、参加者は道一杯に広がって走る。日本だとダメだと思うが、こういうものなのだろうか。車もクラクションを鳴らさずに大きく膨れて集団をパスしていく。

    ※いつもは面倒臭いのでやらないけど、今回は写真を撮ってないところは動画から切り出した画像を使う。

    SAFECO FIELDやBOEINGなど、Seattleといえばという場所がルート沿いにある。まだほとんどバラけず、日本からの参加者のみなさんも近くにいる。近くの人と喋りながら集団についていく。

    そういえば走り始めてすぐに気がついたことだが、スプロケトップギアが磨り減っているのか、全然ギアが使えない状態になっていた。直前にチェーンを新品にしたときにスプロケはそのままでいいやと思って交換しなかったが、やっぱり摩耗していたらしい。10000km以上もチェーンを交換せずに伸び伸びの状態で使っていたので、そりゃむべなるかなというものだ。

    Interurban Avenue Streetという広い道路を快調に南下し、Green River Trailに入る。サイクリングロードみたいなもの。集団のまま最初のコントロールであるKentに到着。

    スタッフの方が順にサインをしていくので、サインちょーだい待ちである。ここまで大集団で来ていたが、このコントロールである程度バラけた。少しずつ前後の参加者との間隔が広がり、いつの間にかいつものように一人旅へ。

    最初に乗っかっていたトレインがそこそこ速かったので、あー最初から張り切りすぎてしまったと後悔していた頃である。自分のペースが大事と反省しきり。いくつか街を抜ける際にマクドナルドのようなお店を見かけたが、特に食糧が足りていないわけでもないのでスルーしていく。

    Thomasさん

    90km地点でガソリンスタンド併設のお店が見えてきた。他の参加者も立ち寄っているみたい。全然休憩することなく走ってきたし、そろそろお腹も空いてくるので一度休憩を入れる。

    ここで会ったのがTennesseeから来たというThomasさん。アジア系のアメリカ人っぽい。少し会話を交わして先に出発しかけたが、「やっぱり一緒に行こう。集団で行った方が楽しい。ブルベには楽しさが重要だ」と言って引き返してきた。断る理由もないので一緒に走り始める。自転車の話などなど、普段のブルベと変わらない世間話をしながら走る。

    ちなみに90km地点で休憩した際にSwarmでチェックインしようとしたら携帯電話の圏外であった。まだ都市に近いところでこれなのだから、今後もほとんど圏外だろう。Swarmでチェックインできなくてつまらないが、いちいち圏外かどうかを確認するのが面倒くさい。チェックインすることが目的ではないし。

    Alder Lakeという湖らしい。Mount Rainierの文字も出てくる。しかし残念ながら曇り空。そして雨がポツポツと降り出している。

    Elbeの雑貨屋で休憩。レインウェアを着るべきか迷ったが、今ぐらいの雨ならまだ大丈夫と判断してそのまま続行。Thomasさんはタンデムの二人と一緒に行こうと画策している。集団で行った方が楽しいという信念に忠実だ。ただ、対向の自転車乗りや歩行者にまで「Hey! Come ooooonnn!!!」と声をかけるのはどうかと思った。

    Welcome to Seattle!

    Mount Rainier National Parkのエリアへ。いかんせん天気が悪い。たまたま近くにいたタンデムのIanさんとSierraさんに「Mount Rainierはどれ?今日は見えないの?」と聞いたら、「雨降ってて見えるわけないだろう。これがSeattleだ。Welcome to Seattle!」という答えが返ってきた。1日目のハイライトはMount Rainierを拝むことだったのだが。残念。

    Thomasさんは「Pee time!」と言って立ちションし始めた。いいのか。結局自分もした。

    Skate Creek Roadのサミットは峠というほど大変なものではなく、そういった看板もないので何事もない内に通過。一気に下ってPackwoodのコントロールへ。雨はすっかり止んだ。眠い。

    アメリカっぽいの食ってるな。これ一個で満腹になったはず。お店の方にサインをもらう。

    Thomasさんは相変わらず誰か一緒に行く人はいないかと見渡し、見つけたのがCaliforniaのHectorさん。RUSAのSRジャージを着ている。二人はどうもGold Rush Randonneeで一緒だったことがあるらしい。しばらくは平坦だが、向かい風が強くなってきていたので、Hectorさんの「ロゥティ!!」の掛け声でローテしていく。

    平坦区間が終わって少し登ったところにあるのがCispusのコントロール。吉岡さんと入れ替わりだった。ただの河原にバンで乗り付けてテーブルや椅子を置いただけのシンプルな運営だが、食べるものや水を用意してくれいていたのでありがたい。

    リカンベントをシングル化しようとしていたクレイジーな方がいた。結局DNFになったようだ。

    極悪非道な行い

    1日目のチマコッピであるElk Passに向けて登り始める。ThomasさんもHectorさんもあまり登りは速くないので、ペースを合わせて走っていると寝る時間があんまり確保できないんじゃないかという不安や危機感が出てくる。登りでのお馴染みのトーク、「お前のギアはいくつだ?」とか、「何歳なの?」というこれまたありがちなトークをし、「ハハ、若いってのはいいな!」というコメントをいただきながら登っていく。前の方々も吸収しつつ走っていると、ThomasさんがHectorさんを置いて一人でするすると前に行ってしまった。

    ここで悪い自分が出てきて、「このままThomasさんもパスして行ってしまおう。寝る時間が大事だ」と囁く。せっかく一緒に行こうと誘ってくれたんだしと思いながらも、悪い自分の誘惑に負け、遊びと見せかけてThomasさんをパスしてそのままアタック。斜度もそんなにきつくないところだったので、後ろを振り返らずにペースを上げていく。二人を見捨ててしまった。さようなら、Thomasさん、Hectorさん。ありがとう。極悪非道な行いだ。

    Elk Passの登りが終わる少し手前で吉岡さんも発見。

    19時を過ぎてもまだ明るい。サミットには何かしらの看板があるだろうと期待していたが、特に何もなかった。味気ない。

    Northwoodsまで30km近く下る。ここで厄介なのが眠気である。夕方は時差ボケで眠くなる時間帯なのだが、ガードレールがない下りなので油断するとあの世行きになってしまう。適宜写真を撮るための停車を入れ、安全に安全に下る。といっても、半分寝ているような状況であるが……。全行程でここが一番眠くてやばかった。

    下りの途中に見えたのはMount St. Helensのはず。すばらしい。

    着いたのはNorthwoodsのEagle Cliff Storeというお店。20時以降は近くでSIRのスタッフが食糧や水を用意してサポートするとのこと。幸い20時を過ぎても店が開いていたので、店で買い物。店の前にオーバーオールを着た恰幅のいいお姉ちゃんがいたのだが(ギャハハと笑いながら大ジョッキで牛乳飲んでそうな感じ)、あまりのテンションの高さにすっかり怯んでしまい、端っこの方に自転車を停めて休憩。

    ピューマの恐怖

    再スタートしようとする頃にはすっかり日も傾いた。ナイトライドへ突入となるのだが、一人で出発したのが大失敗。他の人が出発するのを待てばよかった。国立公園内の森の中なので、街灯はないし車が通ることもほとんどない。明かりは自分の前照灯だけの暗闇の世界である。

    ピューマがサイクリング中の男性襲う、1人死亡 米ワシントン州 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

    ここで頭を過るのが、5月にカスケード山脈でサイクリストがピューマに襲われて亡くなった事件。正直、ピューマやグリズリーが出てもおかしくないし、遭遇したら負けは確定だろう。とにかく少し前に出発していった方々に追い付かなくては……!!という一心で黙々と登っていく。

    Oldman Passのサミットに到達する2kmぐらい手前だったか、やっと前方に数台のリアライトが見えたので、さらにペースアップして合流。なんとか獣には遭わずに済んだ。本当によかった。

    あとはオーバーナイトコントロールまで下るだけ。長い長い下り。そしてColumbia River沿いに出て、Stevensonの町へ。やっと終わったと思ったら最後の最後に結構な斜度の登りがあってうんざりした。日付が変わった0:30頃に到着。ほぼ予定通りという感じだろうか。

    オーバーナイトコントロールでは夕食にタコスの提供があった。ありがたい。

    タコスを食べ、先に到着していたたけさんとしばらく喋り、シャワーを浴びて、体育館のようなところに敷かれたエアマットレスに寝袋というスタイルで1:30ぐらいに就寝。Stevensonのオーバーナイトコントロールのクローズ時刻は6:30なので、5:00ぐらいには起きて少し余裕を持って出発するかな……などと翌日のことを考えながら眠りについた。

    *1:ドロップバッグは毎日オーバーナイトコントロールへ運んでくれる。飛行機輪行用のケースやその他の不要なものは、スタート地点で預けるとゴール地点のSnohomishまで運んでくれるサービスもある。ただし、ゴール地点で受け取らないといけないので、DNFした場合はどうにかしてSnohomishに辿り着かねばならない。

  • 2018 Cascade 1200 : 受付・車検・ライダーミーティング

    22日、時差ボケのせいで中途半端な時間に目覚めてしまう。テレビをつけてCNBCでニュースを見ていた。OPECの協調減産が緩和されるだとか、サウジアラビアで女性の自動車運転が解禁されるだとか、仕事に直接関係のあることがホットトピックとして報道されていた。特にOPECの話題については、現地に繋いで念入りに伝えられていた。

    あと、NBC SportsでRoyal Ascotが生中継されていた。日本では見れないから羨ましい。Alpha CentauriがCoronation Stakesを勝った。*1

    また近場をうろうろ

    朝飯。食べ終わってから思い出したように写真を撮るのをやめろ!

    朝早いし部屋にいてもやることがないので、近所を散歩する。

    で、12:00からの受付と車検の前に自転車のチェックも兼ねて走ってこようと思い、一旦ホテルへ戻って準備。このときに姫井さん夫妻と初めて会った(ように記憶している)。

    Fremont Troll

    ホテルから真っ直ぐ北へ向かうとFremontという地域があり、Fremont Trollという大きな像がある。シアトルに留学していたことがある会社の同僚から聞いていたので、せっかくだし見にいってみるかと思い、ルートを確認して出発。右側走行、慣れないですねぇ。

    Fremont Bridgeのところ。

    橋を渡るとファンキーなやつらがいた。なんだこれ?

    そしてAurora Bridgeの下の急な坂をエイヤッと登るとFremont Trollがいる。今回の目的はこれだけなので満足。治安を改善するためにこういったパブリックアートが設置されたのだそうだ。

    受付が始まるので帰る。ちなみにFremontにはAdobe SeattleやGoogle Seattleのオフィスがあるらしい。シアトルにはMicrosoftAmazonの本社もあるし、街全体が先進的というかなんというか、そんな印象。帰る途中、数台の自転車と一緒になったが、本当に自転車に乗っている人が多い。

    受付・車検

    Susanさん(受付左側の人)と初対面。いきなり日本語で話しかけてきたので驚いた。かつて日本で働いていたこともあって日本語はかなりわかるそうだ。また、平野さんとも受付のタイミングで初めてお会いした。会ってすぐに「あぁこの人は関西出身だ」と確信した。姫井さんはバンクーバー経由でポートランドに滞在してからシアトルへ来たそうだが、Air Canadaロストバゲージで一番肝心の自転車が手元にない。SusanさんがFacebookで地元のサイクリストに声をかけてくれた結果、サイズが合う自転車を貸してくれる方がいて、その自転車の準備をされていた。ヘルメットやシューズなどは地元のRaphaなどで購入。サイコンはRaphaで貸してもらったとか。借り物の自転車で1200kmに挑むなんて、なかなかあることではない。大変だ。

    車検はプロの自転車屋さんが入念にチェックしてくれる。必要な装備が付いているかどうかだけではなく、ここの締めが緩いだとかそういうチェックをされた方もいた。そしてSPOTデバイスが装着された。参加者の位置をGPSでトラッキングするためのデバイスである。それなりに大きいし、トップチューブに付けられたので邪魔ではあるが、一度電源を入れると四日間は動き続ける優れ物だ。

    ブルベカードと最終のキューシート。ブルベカードの左側にDay 1のプロフィールが載っている。見開きにすると4ページになるが、それぞれのページにDay 1からDay 4までのプロフィールが載っていてとても重宝した。キューシートはマイル表示とキロメートル表示の両方があり、自分はキロメートル表示の部分だけを表示するように折り畳んだ。競馬ファンなので1マイルは約1600m(1.6km)とすぐにピンと来るが、慣れていないと変換が難しいかも。

    受付と車検を終え、16:00からのライダーミーティングまで時間があったので、吉岡さんと昼飯にしましょうと近くのマクドナルドへ。ベタすぎるが一回ぐらいはまぁ。

    そういえば今回のブツ。ジャージとTシャツ。そしてHammer Nutritionのジェルやパウダーなど。Hammer NutritionはSusanさんの呼び掛けに応じて、ジェルやパウダーを提供してくださったそうだ。最初に配られた分だけでなく、オーバーナイトコントロールでも自由に持っていっていいようになっていたのでありがたかった。特にジェルに助けられた。本当に文字通り助けられた。

    またまたAmazon Goへ出向く。ホテルで朝食が出るわけではないので、スタート前に食べる物を調達しておく。

    ライダーミーティング

    頭のおかしい人はどこにでもいます。もちろんリカンベントの人もいた。

    タンデムとかリカンベントとかおかしな自転車の人がいるけど、前述の通り、ロストバゲージの結果、借り物の自転車で走ることになった姫井さんがおかしな自転車選手権優勝っぽい。

    16:00からライダーミーティング。一通りの説明が終わった後、日本人向けにたけさんが注意点を確認する時間を取ってくださった。ありがたい。

    自転車置き場もいっぱい。もう後は走るだけ。

    十分に寝ておくべしということで、19:00頃には解散して自分の部屋に戻って就寝。まぁなかなか寝れないのだが。

    *1:この記事を書いている時点でAlpha Centauriは次走のFalmouth Stakesも勝利。Irish One Thousand GuineasからG1を三連勝である。

  • 2018 Cascade 1200 : シアトルへ

    出発の前日である20日まで仕事でバタバタしていたが、なんとか片付けた。

    成田へ

    6月21日、いよいよシアトルへ出発である。搭乗予定の便は21日18:15に成田発のANAの直行便。シアトル到着は現地時間21日11:25の予定。日付変更線を越えるので長い長い6月21日になる。

    12時前に自宅を出て、元住吉駅から武蔵小杉駅へ。武蔵小杉駅からは在来線の快速でもいいのだが、自転車を担いでいるので移動ではなるべく労力を使わないようにしたい。成田エクスプレスで一気にワープ。

    また、武蔵小杉駅でSeattle International RandonneursのFacebookのグループに「出発します!」という写真を投稿しておいた。

    随分と余裕を持って空港に到着。出発まで4時間近くあるので自転車をさっさと預けてしまおう。GWに福岡に行く際には中身を丁寧に確認されたが、今回はそういったこともなく、大型手荷物検査場へ持っていって探知機に通すだけだった。拍子抜け。

    自転車を預けて身軽になったのでその辺をうろうろする。

    ハンバーガーなんて向こうでも食べるだろと思いながらもマクドナルドへ。

    あ、そういえばと思ってドルを準備する。オーバーナイトコントロールでは食事が用意されているので、何か支払いをするのは前後の観光のときとコントロールぐらいなのだが、シアトル市内はいいとしても、コントロールでクレジットカードが使えるのかどうかわからない。どれだけ現金で持っていればいいのか判断できないので、とりあえず20000円分をドルに替えておいた。*1

    あんまりダラダラしていても仕方がないので、セキュリティを通過して搭乗ゲートの近くで時間を潰すことにする。58番ゲートはかなり遠く、一度ゲート付近まで行ってしまうと、ちょっとお店をうろついたりしようかな〜などという気にはならない。幸い電源もあるのでスマホをいじりながら時間を潰す。隣にいた留学生風の女子が完全に家のベッド気分で寛いでいた。そこまでするなよ。

    そうこうしていると、日本からの参加者である平野さんが呼び出されるアナウンスが何度も流れていて笑った。実際にお会いしたことはないけれど、エントリーリストで名前を確認しているので存じ上げている。また、日本人参加者向けには、主催者のSusanさんが参加者の川野さん(たけさん)に協力を依頼してFacebookのグループを作成し、情報を適宜アップデートしてくれた。なので、Facebook上では繋がりがあり、平野さんがFacebookにアップロードした写真からも同じ便なのだということがわかった。

    機内ではぼんやりツールドフランスの映像を見た後はずっと寝ていた。食事は二食。飲み物はと聞かれるたびにアルコールを飲んでいたので、いい気分になった。

    シアトルに到着

    ほぼ定刻通りの11:30頃にシアトル・タコマ国際空港(Sea-Tac Airport)に到着。機内で他の乗客が下りるのを待っている間にiPhoneのSIMをZIP SIMに入れ替えた。すぐに通信ができるようになり、しばらくするとSMSで電話番号が設定されたとメッセージが来た。今回は通話、SMS、データ通信が使えるもので、容量は1GBのものを購入しておいた。1GBで足りるか不安はあったが、シアトル市内は野良Wi-Fiでなんとかなるだろうから、まず一日でどれぐらい使うか様子を見る。

    入国審査は長い列になっていて結構時間がかかった。自分より少し前の方にたけさんが並んでいた。同じ便だったようだ。もう一日前にシアトル入りしている吉岡さんのような方もいるが、平野さんも同じ便だし、やはりこの便が便利。

    入国審査を済ませ、無事に自転車をピックアップ。

    Sea-Tacはターミナル間の移動が鉄道になっているので、メインのターミナルへ移動しないといけない。自転車を担いでの移動なので大変。

    空港を出てシアトル市内へ向かう。いくつか手段はあるようだが、自分は安いLink Light Railで移動することにした。これで市内まで行き、ホテルの近くまでは路線バスで移動するのだ。東京でも路線バスに乗らないのに果たして見知らぬ街のバスに乗るなんて大丈夫だろうか?と思ったが、Google Mapsで乗り替えを検索するとどの路線に乗ればいいかまで示してくれるのでなんとかなるだろう。

    この旅ではなんとかなるだろう精神を存分に発揮していきたい。

    駅は極めてシンプルな作り。切符の決済にクレジットカードが使える。SeaTac/Airport StationからPioneer Square Stationまで運賃は3ドル。40分ぐらいで着く。

    車内には自転車を置くことができるスペースがある。輪行袋に入れずそのまま持ち込むことも可能らしい。「このスペースは早い者勝ちね!」という注意書きがあった。

    シアトル市内が近づく。SAFECO FIELDの横を通過。

    Link Light Railの一部は地下を走るバスとの共用になっているらしい。

    地上に出て、近くのバス停からDowntown行きのバスへ乗車。ここで初めて現金を使った。運賃は前払いだが、現金支払いのみでお釣りは出ない仕様らしい。本当かと思ったが、これは日本でも同じことだな。運賃は2.5ドル。紙幣しか持っていないし両替もできないということなので、3ドルを払うことになった。自転車はそのまま持ち込み可。

    しばらくして宿に最寄りのバス停に到着。

    宿はHoliday Inn Seattle Downtownというホテル。14:00頃に到着した。翌22日に受付や車検、ライダーミーティングがこのホテルで行われるので、余計な移動を省くために素直にここに宿泊することにした。グループレートが適用されているとはいえ高いので懐には痛い*2

    近場を散策

    部屋を準備できるのが15:00からだというので、自転車だけ預けて付近の散策に出る。まずはSpace Needleへ行ってみる。今年のCascade 1200のスタート地点になっている場所だ。

    近くにあったセブンイレブンで食糧を調達して、Space Needleの麓で腹ごしらえ。アメリカサイズなのででかい。これだけで腹いっぱいになってしまう。

    平日なのに賑やか。

    一旦ホテルへ戻ってチェックイン。自転車を組み立てるのは後にして、バックパックを置いてもう一度市内の散策へ。

    シアトル市内は自転車のレーンが明確に整備されていて走りやすそうだった。また、サイクリストがとても多い。日本でいうママチャリのようなものはなく、ロードバイクがほとんど。

    シアトルのAmazonのビルの横にある人間をダメにするソファでダメになった人々。人間をダメにするソファの効力は洋の東西を問わない。

    Pike Place Marketというのが有名らしいので、そちらへ行ってみる。ここにStarbucksの一号店がある。

    せっかくなので並ぶ。完全にただの観光客である。

    店内は狭い。しかし、やはり一号店。観光客でごった返していて完全に観光スポットだ。アジア系多し。

    シェアバイクもあるようだ。これだけでなく他にも数社がサービスを展開している模様。利用している人も多く、市民に定着しているようだった。

    こういうデカいバスが走るの、なんかいいよね。

    Amazon Go

    そしてここ。ホテルでAmazon GoのアプリをDLして、店に突入する準備を整えていたので、いざ突入。シアトルに来たからには一度は体験しないといけない。

    本当に決済をせずに店を出た。実にスムーズ。

    しばらくするとスマホに購入した一覧の明細と店内での滞在時間が通知された。請求は米Amazonのアカウント宛て。スマホをかざしてゲートから入り、商品をバッグに入れ(自分のバッグにそのまま入れてもいい)、ゲートを出てくるだけ。店内に張り巡らされたセンサーで人の動きと商品の動きを検出しているらしく、相当に設備費がかかっていると思うが、これは普及するととても便利。自動化によってスタッフが減っているかというと、結局案内する人が常駐しているので、全体的な人件費の削減には繋がっていないように見えるが、客としての体験は本当にストレスがない。日本でも普及してほしい。

    夕食と翌日の朝食を調達したのでホテルに戻る。

    バイクを置いておく部屋にはまだ数台。スペースが空いている内に組み立ててしまう。最後にポンプでせっせと空気を入れていると、コロラドから来たという方がフロアポンプを貸してくれた。なんでそんなもん持っているんだ。とにかく自転車は組み上がった。輪行で特にダメージを受けたこともなさそう。

    部屋に戻って夕食を食べ、そのまま寝てしまった(はず)。日本時間の21日からシアトルへ移動し、やっと21日が終わった。長い長い6月21日だった。

    *1:結果的に現金を使ったのは2回。4ドルのみ。

    *2:家族で泊まることが前提になっているのでダブルベッドが二つ、一泊約30000円。同じ参加者同士で一緒に泊まるといいのかも。

  • 2018 Cascade 1200 : Prologue

    Cascade 1200から帰ってきて二週間が経った。そろそろ書いておかないと記憶が薄れていってしまう。

    世界のM脇トークショー

    2018 Cascade 1200 – June 23 – 26, 2018

    そもそも今年、Cascade 1200に行くことになったきっかけは、昨年の年末にイーチョさんのところで開催された世界のM脇氏のトークショーである。2019年のPBPには参加したいなと考えていたが、他の海外ブルベにも目を向けようと思ったのは、楽しそうに海外ブルベの話をするM脇さんの姿に影響されたからだ。

    そうなると、どこのブルベに参加するかが問題である。これまで1200kmに縁がなかったので2018年の内に一度は走りたい。R札幌の夏の1200km、2400kmというのも選択肢にはなるが、8月の真ん中に長い休みを取るのは今の仕事ではやや厳しい(これは来年も同じことが言えるのだが……)。しかも、エントリー峠が激化しそうである。険しいエントリー峠に参戦してまでブルベを走りたいというわけでもないので、早々にR札幌の1200km、2400kmは候補から外した。

    年明けにLes Randonneurs Mondiauxのサイトでカレンダーをチェックし、候補に上がったのが、6月にアメリカはシアトルで開催されるCascade 1200と10月に台湾で開催される1200kmである。この二つは時期的にも休みを取りやすく、遠征するにしても比較的行きやすい地域だ。また、PBPのように日本人が多数参加するようなものであれば、現地の言葉がわからなくてもなんとかなるかもしれないが、そのようなものはPBPやLELぐらいだろう。ある程度言葉の問題は小さいところがいい。Poor Englishではあるが仕事で英語は使っているし、英語が通じるCascade 1200は参加しやすいと思った。

    さらにCascade 1200の情報が出てきた頃、マヤさんがFacebookに「Best ride ever」と書いていたのも記憶に残っていた。アメリカ大陸の雄大な景色を堪能できるのだそうだ。惹かれる。気持ちはCascade 1200へ。*1

    2月初めにCascade 1200のエントリーが始まったが、外国人枠は無制限と聞いていたので焦ることなく時期を見計らい、2月半ばに会社で「6月下旬に休みを取りたい」と相談したところ、あっさりとOKが出た。いざエントリー。そのまま航空券と事前に宿泊するホテルの予約(参加者向けにグループレートが適用されていた)をした。終わってからの宿泊は後で検討ということにして、結局予約したのは5月末になってからだった。航空券はトランジットなどの余計なリスクを避けたいので、費用は高くなるがANAの直行便にした。宿の予約に関してはBooking.comなどがあるので、日本で宿を予約するのと手間は変わらない。

    航空券と宿泊を押さえてしまえば一段落である。今年は九州ヘブンウィークに参加するのでGWまではそちらが優先だったし、その後もAJたまがわの海野宿400と鬼怒川600があったので、Cascade 1200の準備はそれが終わってから。とはいえ、装備自体や持ち物は九州ヘブンウィークに持っていったものとほぼ同じで問題なさそうと判断していたので、準備に時間はかからなかった。

    準備したもの

    国内遠征の荷物に追加するものといえば、以下のものぐらい。

    • パスポート
      • 当然。
    • ESTA
    • 国際免許証
      • DNFした場合、次のオーバーナイトコントロールまでは回収車で運んでくれるらしいが、その後は各自でどうにかしなければならない。過去に参加したマヤさんやチコリンさんはDNFの後レンタカーを借りてシアトルに戻ったと聞いていた。使わないに越したことはないが、一応念の為に国際免許証を申請して持っていった。
    • ハイドレーションパック (Dolfin Pack)
      • これは海外ブルベだからというわけではなく、Cascade 1200の参加案内にボトルは三本持ってくることを推奨と書いてあったため。Cascade山脈の東側は乾燥地帯で非常に暑くなるらしい。ボトル三本にするか迷ったけど、背中に背負うハイドレーションパックにした。
    • 変換プラグ
      • 電源タップを持っていってもこれがないと使えない。
    • スマホ用のSIM (ZIP SIM)
      • DNFの連絡や地図を見るためにスマホが必要なので、国内のAmazonで購入できるZIP SIMを用意(音声通話+SMS+データ通信)。シアトルの空港に着いてSIMを入れ替えるだけという手軽さが良い。前後のシアトル観光では問題なく使えたが、Cascade 1200のルート上は圏外ばかりで、ブルベではあまり役に立たなかった。スタッフの方々も電波はあまりないと言っていたので、アメリカはそういうものだと思うしかないようだ。日本のカバー率が異常なんだと思う。
    • OSM
    • ウェットティッシュ
      • 普段の国内ブルベでは持たないが、日本のトイレ環境の良さは異常なので、トイレ環境には期待せずに持っておいた方がよいだろうと判断。これは本当に良い判断だった。これを持っているとのいないのではQOLが三段階ぐらい違うと思う。
    • 海外旅行保険
      • クレジットカードのゴールドカードに付帯している海外旅行保険はあるが、条件を読むとどうもなぁということだったので、au損保の海外旅行保険に入っておいた。
    • ウェア類
      • 真夏と真冬の両方の装備を持っていった。これは九州ヘブンウィークの際に話を聞いたSan Francisco RandonneursのEricさんやマヤさん、チコリンさんが口を揃えて「両方持っていくべし」とおっしゃっていたので素直に従った。先達の言葉は聞くものである。
    • 補給食
      • 先達のみなさまが2日目以降は補給できるところがないとおっしゃっていたので、エナジージェルを20本、エナジーバーを8本、塩分チャージタブレッツを持参した。結局、各オーバーナイトコントロールでHammer Nutritionのジェルや白い粉などを好きなだけ持っていけというサービスもあったので、全部は使い切らなかったが、こういった補給食を持っていなかったら途中で力尽きていたかもしれない。全然補給できるところがなかった。

    走行計画

    走行計画の検討はあまり念入りにはやらなかった。ルートの予習もざっくり(後悔する羽目に)。そもそも仮眠をするためのオーバーナイトコントロールが設定されており、350km、350km、250km、250kmという四日間の配分になっているので、1200kmを走るというよりは、一日で終わるブルベを四日続けて走るという感覚。徹夜で走り続けることはなさそうなので、あまり細かい戦略は必要なさそう。ドロップバッグを毎日オーバーナイトコントロールに運んでもらえるので、荷物も300kmブルベを走るぐらいのものだけで十分。

    また、ルートについては、主催者のSusanさんが二週間前に試走した際には1日目のElk Passが冬期の雪による影響でクローズになっていたようだ。当日までにオープンになるかどうかわからない状況だったので、代替ルートが設定されていた。直前までどちらになるかわからずやきもきさせられたが、最終的にはElk Passもオープンになったので、当初の予定通り1日目はMount RainierやMount St. Helensという山を眺めながらの走行となるルートになった。見所の一つなので当初のルートになってよかった。

    *1:マヤさんはだいたい「あのブルベは最高!」と評価するので真に受けてはいけない。