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  • 2018 Cascade 1200 : シアトルへ

    出発の前日である20日まで仕事でバタバタしていたが、なんとか片付けた。

    成田へ

    6月21日、いよいよシアトルへ出発である。搭乗予定の便は21日18:15に成田発のANAの直行便。シアトル到着は現地時間21日11:25の予定。日付変更線を越えるので長い長い6月21日になる。

    12時前に自宅を出て、元住吉駅から武蔵小杉駅へ。武蔵小杉駅からは在来線の快速でもいいのだが、自転車を担いでいるので移動ではなるべく労力を使わないようにしたい。成田エクスプレスで一気にワープ。

    また、武蔵小杉駅でSeattle International RandonneursのFacebookのグループに「出発します!」という写真を投稿しておいた。

    随分と余裕を持って空港に到着。出発まで4時間近くあるので自転車をさっさと預けてしまおう。GWに福岡に行く際には中身を丁寧に確認されたが、今回はそういったこともなく、大型手荷物検査場へ持っていって探知機に通すだけだった。拍子抜け。

    自転車を預けて身軽になったのでその辺をうろうろする。

    ハンバーガーなんて向こうでも食べるだろと思いながらもマクドナルドへ。

    あ、そういえばと思ってドルを準備する。オーバーナイトコントロールでは食事が用意されているので、何か支払いをするのは前後の観光のときとコントロールぐらいなのだが、シアトル市内はいいとしても、コントロールでクレジットカードが使えるのかどうかわからない。どれだけ現金で持っていればいいのか判断できないので、とりあえず20000円分をドルに替えておいた。*1

    あんまりダラダラしていても仕方がないので、セキュリティを通過して搭乗ゲートの近くで時間を潰すことにする。58番ゲートはかなり遠く、一度ゲート付近まで行ってしまうと、ちょっとお店をうろついたりしようかな〜などという気にはならない。幸い電源もあるのでスマホをいじりながら時間を潰す。隣にいた留学生風の女子が完全に家のベッド気分で寛いでいた。そこまでするなよ。

    そうこうしていると、日本からの参加者である平野さんが呼び出されるアナウンスが何度も流れていて笑った。実際にお会いしたことはないけれど、エントリーリストで名前を確認しているので存じ上げている。また、日本人参加者向けには、主催者のSusanさんが参加者の川野さん(たけさん)に協力を依頼してFacebookのグループを作成し、情報を適宜アップデートしてくれた。なので、Facebook上では繋がりがあり、平野さんがFacebookにアップロードした写真からも同じ便なのだということがわかった。

    機内ではぼんやりツールドフランスの映像を見た後はずっと寝ていた。食事は二食。飲み物はと聞かれるたびにアルコールを飲んでいたので、いい気分になった。

    シアトルに到着

    ほぼ定刻通りの11:30頃にシアトル・タコマ国際空港(Sea-Tac Airport)に到着。機内で他の乗客が下りるのを待っている間にiPhoneのSIMをZIP SIMに入れ替えた。すぐに通信ができるようになり、しばらくするとSMSで電話番号が設定されたとメッセージが来た。今回は通話、SMS、データ通信が使えるもので、容量は1GBのものを購入しておいた。1GBで足りるか不安はあったが、シアトル市内は野良Wi-Fiでなんとかなるだろうから、まず一日でどれぐらい使うか様子を見る。

    入国審査は長い列になっていて結構時間がかかった。自分より少し前の方にたけさんが並んでいた。同じ便だったようだ。もう一日前にシアトル入りしている吉岡さんのような方もいるが、平野さんも同じ便だし、やはりこの便が便利。

    入国審査を済ませ、無事に自転車をピックアップ。

    Sea-Tacはターミナル間の移動が鉄道になっているので、メインのターミナルへ移動しないといけない。自転車を担いでの移動なので大変。

    空港を出てシアトル市内へ向かう。いくつか手段はあるようだが、自分は安いLink Light Railで移動することにした。これで市内まで行き、ホテルの近くまでは路線バスで移動するのだ。東京でも路線バスに乗らないのに果たして見知らぬ街のバスに乗るなんて大丈夫だろうか?と思ったが、Google Mapsで乗り替えを検索するとどの路線に乗ればいいかまで示してくれるのでなんとかなるだろう。

    この旅ではなんとかなるだろう精神を存分に発揮していきたい。

    駅は極めてシンプルな作り。切符の決済にクレジットカードが使える。SeaTac/Airport StationからPioneer Square Stationまで運賃は3ドル。40分ぐらいで着く。

    車内には自転車を置くことができるスペースがある。輪行袋に入れずそのまま持ち込むことも可能らしい。「このスペースは早い者勝ちね!」という注意書きがあった。

    シアトル市内が近づく。SAFECO FIELDの横を通過。

    Link Light Railの一部は地下を走るバスとの共用になっているらしい。

    地上に出て、近くのバス停からDowntown行きのバスへ乗車。ここで初めて現金を使った。運賃は前払いだが、現金支払いのみでお釣りは出ない仕様らしい。本当かと思ったが、これは日本でも同じことだな。運賃は2.5ドル。紙幣しか持っていないし両替もできないということなので、3ドルを払うことになった。自転車はそのまま持ち込み可。

    しばらくして宿に最寄りのバス停に到着。

    宿はHoliday Inn Seattle Downtownというホテル。14:00頃に到着した。翌22日に受付や車検、ライダーミーティングがこのホテルで行われるので、余計な移動を省くために素直にここに宿泊することにした。グループレートが適用されているとはいえ高いので懐には痛い*2

    近場を散策

    部屋を準備できるのが15:00からだというので、自転車だけ預けて付近の散策に出る。まずはSpace Needleへ行ってみる。今年のCascade 1200のスタート地点になっている場所だ。

    近くにあったセブンイレブンで食糧を調達して、Space Needleの麓で腹ごしらえ。アメリカサイズなのででかい。これだけで腹いっぱいになってしまう。

    平日なのに賑やか。

    一旦ホテルへ戻ってチェックイン。自転車を組み立てるのは後にして、バックパックを置いてもう一度市内の散策へ。

    シアトル市内は自転車のレーンが明確に整備されていて走りやすそうだった。また、サイクリストがとても多い。日本でいうママチャリのようなものはなく、ロードバイクがほとんど。

    シアトルのAmazonのビルの横にある人間をダメにするソファでダメになった人々。人間をダメにするソファの効力は洋の東西を問わない。

    Pike Place Marketというのが有名らしいので、そちらへ行ってみる。ここにStarbucksの一号店がある。

    せっかくなので並ぶ。完全にただの観光客である。

    店内は狭い。しかし、やはり一号店。観光客でごった返していて完全に観光スポットだ。アジア系多し。

    シェアバイクもあるようだ。これだけでなく他にも数社がサービスを展開している模様。利用している人も多く、市民に定着しているようだった。

    こういうデカいバスが走るの、なんかいいよね。

    Amazon Go

    そしてここ。ホテルでAmazon GoのアプリをDLして、店に突入する準備を整えていたので、いざ突入。シアトルに来たからには一度は体験しないといけない。

    本当に決済をせずに店を出た。実にスムーズ。

    しばらくするとスマホに購入した一覧の明細と店内での滞在時間が通知された。請求は米Amazonのアカウント宛て。スマホをかざしてゲートから入り、商品をバッグに入れ(自分のバッグにそのまま入れてもいい)、ゲートを出てくるだけ。店内に張り巡らされたセンサーで人の動きと商品の動きを検出しているらしく、相当に設備費がかかっていると思うが、これは普及するととても便利。自動化によってスタッフが減っているかというと、結局案内する人が常駐しているので、全体的な人件費の削減には繋がっていないように見えるが、客としての体験は本当にストレスがない。日本でも普及してほしい。

    夕食と翌日の朝食を調達したのでホテルに戻る。

    バイクを置いておく部屋にはまだ数台。スペースが空いている内に組み立ててしまう。最後にポンプでせっせと空気を入れていると、コロラドから来たという方がフロアポンプを貸してくれた。なんでそんなもん持っているんだ。とにかく自転車は組み上がった。輪行で特にダメージを受けたこともなさそう。

    部屋に戻って夕食を食べ、そのまま寝てしまった(はず)。日本時間の21日からシアトルへ移動し、やっと21日が終わった。長い長い6月21日だった。

    *1:結果的に現金を使ったのは2回。4ドルのみ。

    *2:家族で泊まることが前提になっているのでダブルベッドが二つ、一泊約30000円。同じ参加者同士で一緒に泊まるといいのかも。

  • 2018 Cascade 1200 : Prologue

    Cascade 1200から帰ってきて二週間が経った。そろそろ書いておかないと記憶が薄れていってしまう。

    世界のM脇トークショー

    2018 Cascade 1200 – June 23 – 26, 2018

    そもそも今年、Cascade 1200に行くことになったきっかけは、昨年の年末にイーチョさんのところで開催された世界のM脇氏のトークショーである。2019年のPBPには参加したいなと考えていたが、他の海外ブルベにも目を向けようと思ったのは、楽しそうに海外ブルベの話をするM脇さんの姿に影響されたからだ。

    そうなると、どこのブルベに参加するかが問題である。これまで1200kmに縁がなかったので2018年の内に一度は走りたい。R札幌の夏の1200km、2400kmというのも選択肢にはなるが、8月の真ん中に長い休みを取るのは今の仕事ではやや厳しい(これは来年も同じことが言えるのだが……)。しかも、エントリー峠が激化しそうである。険しいエントリー峠に参戦してまでブルベを走りたいというわけでもないので、早々にR札幌の1200km、2400kmは候補から外した。

    年明けにLes Randonneurs Mondiauxのサイトでカレンダーをチェックし、候補に上がったのが、6月にアメリカはシアトルで開催されるCascade 1200と10月に台湾で開催される1200kmである。この二つは時期的にも休みを取りやすく、遠征するにしても比較的行きやすい地域だ。また、PBPのように日本人が多数参加するようなものであれば、現地の言葉がわからなくてもなんとかなるかもしれないが、そのようなものはPBPやLELぐらいだろう。ある程度言葉の問題は小さいところがいい。Poor Englishではあるが仕事で英語は使っているし、英語が通じるCascade 1200は参加しやすいと思った。

    さらにCascade 1200の情報が出てきた頃、マヤさんがFacebookに「Best ride ever」と書いていたのも記憶に残っていた。アメリカ大陸の雄大な景色を堪能できるのだそうだ。惹かれる。気持ちはCascade 1200へ。*1

    2月初めにCascade 1200のエントリーが始まったが、外国人枠は無制限と聞いていたので焦ることなく時期を見計らい、2月半ばに会社で「6月下旬に休みを取りたい」と相談したところ、あっさりとOKが出た。いざエントリー。そのまま航空券と事前に宿泊するホテルの予約(参加者向けにグループレートが適用されていた)をした。終わってからの宿泊は後で検討ということにして、結局予約したのは5月末になってからだった。航空券はトランジットなどの余計なリスクを避けたいので、費用は高くなるがANAの直行便にした。宿の予約に関してはBooking.comなどがあるので、日本で宿を予約するのと手間は変わらない。

    航空券と宿泊を押さえてしまえば一段落である。今年は九州ヘブンウィークに参加するのでGWまではそちらが優先だったし、その後もAJたまがわの海野宿400と鬼怒川600があったので、Cascade 1200の準備はそれが終わってから。とはいえ、装備自体や持ち物は九州ヘブンウィークに持っていったものとほぼ同じで問題なさそうと判断していたので、準備に時間はかからなかった。

    準備したもの

    国内遠征の荷物に追加するものといえば、以下のものぐらい。

    • パスポート
      • 当然。
    • ESTA
    • 国際免許証
      • DNFした場合、次のオーバーナイトコントロールまでは回収車で運んでくれるらしいが、その後は各自でどうにかしなければならない。過去に参加したマヤさんやチコリンさんはDNFの後レンタカーを借りてシアトルに戻ったと聞いていた。使わないに越したことはないが、一応念の為に国際免許証を申請して持っていった。
    • ハイドレーションパック (Dolfin Pack)
      • これは海外ブルベだからというわけではなく、Cascade 1200の参加案内にボトルは三本持ってくることを推奨と書いてあったため。Cascade山脈の東側は乾燥地帯で非常に暑くなるらしい。ボトル三本にするか迷ったけど、背中に背負うハイドレーションパックにした。
    • 変換プラグ
      • 電源タップを持っていってもこれがないと使えない。
    • スマホ用のSIM (ZIP SIM)
      • DNFの連絡や地図を見るためにスマホが必要なので、国内のAmazonで購入できるZIP SIMを用意(音声通話+SMS+データ通信)。シアトルの空港に着いてSIMを入れ替えるだけという手軽さが良い。前後のシアトル観光では問題なく使えたが、Cascade 1200のルート上は圏外ばかりで、ブルベではあまり役に立たなかった。スタッフの方々も電波はあまりないと言っていたので、アメリカはそういうものだと思うしかないようだ。日本のカバー率が異常なんだと思う。
    • OSM
    • ウェットティッシュ
      • 普段の国内ブルベでは持たないが、日本のトイレ環境の良さは異常なので、トイレ環境には期待せずに持っておいた方がよいだろうと判断。これは本当に良い判断だった。これを持っているとのいないのではQOLが三段階ぐらい違うと思う。
    • 海外旅行保険
      • クレジットカードのゴールドカードに付帯している海外旅行保険はあるが、条件を読むとどうもなぁということだったので、au損保の海外旅行保険に入っておいた。
    • ウェア類
      • 真夏と真冬の両方の装備を持っていった。これは九州ヘブンウィークの際に話を聞いたSan Francisco RandonneursのEricさんやマヤさん、チコリンさんが口を揃えて「両方持っていくべし」とおっしゃっていたので素直に従った。先達の言葉は聞くものである。
    • 補給食
      • 先達のみなさまが2日目以降は補給できるところがないとおっしゃっていたので、エナジージェルを20本、エナジーバーを8本、塩分チャージタブレッツを持参した。結局、各オーバーナイトコントロールでHammer Nutritionのジェルや白い粉などを好きなだけ持っていけというサービスもあったので、全部は使い切らなかったが、こういった補給食を持っていなかったら途中で力尽きていたかもしれない。全然補給できるところがなかった。

    走行計画

    走行計画の検討はあまり念入りにはやらなかった。ルートの予習もざっくり(後悔する羽目に)。そもそも仮眠をするためのオーバーナイトコントロールが設定されており、350km、350km、250km、250kmという四日間の配分になっているので、1200kmを走るというよりは、一日で終わるブルベを四日続けて走るという感覚。徹夜で走り続けることはなさそうなので、あまり細かい戦略は必要なさそう。ドロップバッグを毎日オーバーナイトコントロールに運んでもらえるので、荷物も300kmブルベを走るぐらいのものだけで十分。

    また、ルートについては、主催者のSusanさんが二週間前に試走した際には1日目のElk Passが冬期の雪による影響でクローズになっていたようだ。当日までにオープンになるかどうかわからない状況だったので、代替ルートが設定されていた。直前までどちらになるかわからずやきもきさせられたが、最終的にはElk Passもオープンになったので、当初の予定通り1日目はMount RainierやMount St. Helensという山を眺めながらの走行となるルートになった。見所の一つなので当初のルートになってよかった。

    *1:マヤさんはだいたい「あのブルベは最高!」と評価するので真に受けてはいけない。